記録から見る将棋界

羽生世代台頭前夜の将棋界

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村山聖五段(当時)が非公式戦で大山康晴十五世名人を相手に全力で戦って完勝したのが、平成元年。

非公式戦でも決して手を抜かなかった村山聖五段(当時)

今年2016年は、平成28年。

30年近く違えば当然ですが、同じ平成時代でも「平成元年」と「平成28年」では大違い。

今から28年前の将棋界はどういう時代だったのか、記録を元にタイムトラベルしてみましょう。

羽生世代が台頭する直前の勢力図

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(画像:棋聖戦中継ブログより)

1989年1月8日は、年度を基準に動く将棋界に照らせば1988年度です。

その1988年度のタイトルホルダーは以下の通り。

  • 第1期竜王:島朗
  • 第46期名人:谷川浩司
  • 第52期棋聖(前期):田中寅彦
  • 第53期棋聖(後期):中原誠
  • 第29期王位:森雞二
  • 第36期王座:中原誠
  • 第14期棋王:南芳一
  • 第38期王将:南芳一

見ての通り、羽生善治や森内俊之・佐藤康光といった、見慣れた名は出てきません。

当時の将棋界は、後に将棋界を席巻する「羽生世代」の台頭前夜ともいうべき時代。

羽生世代の棋士ですでにプロ入りしているのは「羽生・森内・佐藤・村山」の4名で、「郷田・丸山・藤井」の3名は1990年代に入ってからになります。

ちなみに平成生まれ最初の棋士は豊島将之七段ですが、生年月日は1990年なので、この当時はまだ生まれてすらいません。

「中原・米長・谷川時代」と「羽生世代」の狭間

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(画像:日本将棋連盟より)

中原誠十六世名人・谷川浩司九段といった、往年の大棋士が抜けた存在。

米長邦雄永世棋聖は一時的に無冠で、翌期の棋王戦でタイトル保持者として復活します。

1980年代後半は、いわゆる「花の55年組」という、いかにも昭和なネーミングの世代が台頭していた時期。

主な棋士は、高橋道雄九段、南芳一九段、中村修九段、塚田泰明九段、島朗九段など(段位は現在のもの)。

いずれも昭和55(1980)年に四段になった面々で、「中原・米長・谷川時代」と「羽生世代」の狭間で一瞬だけ輝いた世代(当時は棋士になれる人数に制限がなかった)。

1988年度は十段戦が発展解消され、現行の竜王戦が創設された年度。

将棋界最高峰の棋戦・竜王戦創設の経緯

翌期で島朗竜王を破り、第2期竜王に就いたのが当時19歳の羽生善治六段。

その後に続くように、羽生世代の面々が大舞台で活躍するようになっていきます。

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