千田翔太

師匠・森信雄七段が語る、弟子・千田翔太五段

2017/06/23

将棋界で最も将棋ソフトに精通していると言われている棋士・千田翔太五段。

その千田五段が第2期叡王戦で決勝まで勝ち上がり、佐藤天彦名人を下せば来春ソフトと対決する、というところまで来ています。

もし本当に「コンピュータ将棋を用いた学習法の先駆者(自称)」VS 最強ソフトが戦うとなれば、かなり盛り上がりそうです。

師匠が語る弟子・千田翔太

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(画像:王位戦中継ブログより)

今のような脚光を浴びるよりも前、師匠の森信雄七段が千田五段について語ったことがあります。

竜王を獲得する8ヵ月と2日前の糸谷哲郎六段(当時)でも引用した、将棋世界2014年6月号「森信雄一門 昇級者座談会」にて、です。

この企画は、「森信雄一門の昇級者3名とその師匠である森信雄七段が、2013年度を振り返りつつ来期の抱負を語る」というもの。

千田翔太四段(当時)は棋士1年目の2013年度、8勝2敗の好成績ながら昇級はならなかったのですが、同じ門下ということでその名が出てきます。

- 千田さんはどんな方ですか。

 将棋一途です。崩れることはないけど、思い込みも強いから、ひょっとして自分は強いと勘違いしたら怖いなっていうのがありますね。苦労した方が伸びるし、あんまり早く強くなったらしぼむのも早いと思う。そういう意味では1年目にこういう経験をしたのは大きいと思いますね。千田君には試練だけど、これくらいの試練はいまのうちに積んでたほうがいいと思います。

●引用:将棋世界2014年6月号(P.135)より

2014年度のC級2組順位戦では9勝1敗の圧倒的な成績で、C級1組への昇級を果たしています(同時に五段昇段)。

基本的に棋士はソフトに抜かれている

この座談会の直後、棋士になって2年目に入ってすぐの2014年5月、第55期王位戦挑戦者決定戦まで進出します。

惜しくも敗れて挑戦者にはなれませんでしたが、千田五段は「不屈の棋士」の中で「自分の立ち位置がある程度分かりました。プロ棋士全体で真ん中よりは上」と語っています。

つまり、師匠が心配しているような、何の根拠もなく「自分は強い」とは思っていなさそうです。

「思い込みが強い」という性格もなんとなく分かる話で、同著の中で千田五段は「基本的に棋士はソフトに抜かれている」と断言しています。

最初から刺激的な話が並んだ。

ソフトと棋士の実力比較と言う繊細な問題に対し、羽生については明言を避けたが、基本的に棋士はソフトに抜かれている、と千田は断言した。

(引用:不屈の棋士 P.147より)

「思い込みが強い」とは、「自論に自信を持っている」という意味でもあり、だからこそこれだけ断言できるのです。

「不屈の棋士」によれば、千田五段が本格的にソフトを使って棋力向上に専念し出したのは2015年度。

その年度末にNHK杯で準優勝しており、今年度は叡王戦で決勝進出と、その成果が表れつつあります。

-千田翔太