羽生善治

うわの空で将棋を指しても強かった、若き日の羽生善治三冠

羽生善治三冠と畠田理恵さんの馴れ初めで紹介した通り、羽生善治三冠と畠田理恵さんが出会ったのは、1994年の9月のこと。

当時女優だった理恵さんの雑誌の企画のゲストとして、羽生さんが呼ばれたのがきっかけでした。

しかもその対談の最終回で、当初はゲストとして呼ばれる予定のなかった羽生さんがゲストとして呼ばれる、という運命的な出会いでした。

対局中も「うわの空」だった交際中の羽生さん

1994年といえば羽生さんが七冠王への道をひた走っている真っ只中の時期。

結婚して20年経った今でも超仲のいい2人の若かった頃ですから、今の羽生さんからはちょっと想像のつかない一幕もありました。

例によって河口俊彦八段著・「盤上の人生 盤外の勝負」より、羽生さんが上の空で将棋を指していたときのエピソードを引用します。

後に佐藤から聞いた話がある。

「竜王戦のときの羽生さんは、なにか変だった。考えているときも、どこか気が抜けているようだったし、休み時間になるのを待っていたように自室に引きあげるんです。いつもと違っていましたね」

たしか十二月中旬頃、新聞に、羽生が女優の畠田理恵さんと交際していると報じられたのを、読んだ記憶がある。すると、竜王戦を戦っている十月か十一月ころ、交際が始まったのだろう。

「きっと早く電話を掛けたくて、自室に戻ったんだよ。君は上の空の男に負かされたんだ」

私がそんなことを言うと、佐藤は「そうでしょうね」と笑った。

その佐藤だって、後に大恋愛をし、その最中に、奇跡的に防衛した。どうやら恋をしているときの棋士は強いらしい。

この「竜王戦」とは、佐藤康光竜王(当時)に羽生善治五冠(当時)が挑戦した第6期竜王戦のこと。

その前年、逆の立場で羽生さんが負かされており、そのリターンマッチに成功しています(4勝2敗で奪取)。

竜王を取り返して史上初の六冠王になった羽生さんの勢いはその後も止まらず。

その年度末に谷川浩司王将(当時)に七冠制覇をかけて挑戦し、その1年後に七冠王になります。

「うわの空」でも勝ってしまう羽生さん

羽生さんにも「恋愛で頭がいっぱい」になっていた時期があったということ。

この当時はまだ24歳とはいえ、対局中にうわの空になっている羽生さんの姿は、今ではもう想像がつきません。

でも、そんな状態でも勝ってしまうのだから、さすが羽生さんとしか言いようがありません。

その存在が圧倒的過ぎて、どこか現実離れした雰囲気が漂う羽生さんですが、どこにでもいる若者相応の一面もあったということです。

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