羽生善治

羽生善治三冠が将棋連盟の運営に参加しない理由

会長職を辞任した谷川浩司九段に代わり、それまで棋士会会長を務めていた佐藤康光九段が会長を引き継ぎました。

前会長の谷川九段はもちろん、その前の米長邦雄永世棋聖、さらに前の中原誠十六世名人など、日本将棋連盟の会長は別格の実績を残した超一流の棋士が務めることが多いのです。

羽生善治三冠と運営面の関わり

ならば当然、「羽生さんが会長に!」の声もあるわけで、46歳になった今でも将棋界の第一人者といえば羽生善治三冠です。

ですが今の羽生さんは、連盟の運営には全くの無縁です。

しかし、羽生善治三冠が運営面に関わろうとしないのには理由があります。

奥様の羽生理恵さんが、自身のツイッターで以下のようなツイートをしています。

では、その原因とされている「将棋連盟再建の際の思い出」とは何なのか?

この話をすでに知っていた人は、奥様がこの話に言及したことに驚いたと思います。

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裏切られた羽生さん

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(画像:棋聖戦中継ブログより)

その話をする前に、先に踏まえておいてほしいことがあります。

2016年12月に出版された橋本崇載八段の著書『棋士の一分』には、以下のような記述がありました。

とくに本来であれば、組織の中核になるべき四十代、五十代の棋士たちがまったく動こうとしない。

この世代には、俗にいう羽生世代も含まれる。羽生善治さんが1970年生まれなので、17年には47歳。

同学年やその前後の学年を羽生世代と括る場合が多いが、さらに幅を広げると、中核となるべき世代になる。

(略)

この世代には知性が感じられる人も多いので、将棋界の動きに疑問を感じないはずはない。

言いたいことはあったはずだし、実際のところ、書籍や雑誌のインタビューなどに登場すれば、思いのほか雄弁に自分の思いを披露していることもある。

しかし、将棋連盟における公式な場である月例報告会や年に一度の棋士総会などにおいては何かの意見を口にするところはほとんど見たことがない。

『引用:棋士の一分(P.94)より』

他の中年棋士がまったく動こうとしない理由は知りませんが、実は羽生善治三冠に関しては事情があります。

あまり知られていないことなのですが、実は羽生さんは20代後半の頃、連盟の運営面にも積極的に関わろうとしていたことがあるのです。

それが先述の「将棋連盟再建の際の思い出」のことで、簡単に言うと、「羽生さんが棋士仲間に裏切られた」のです。

そのときのショックが、20年近く経った今も尾を引いているわけです。

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事件の大筋

その顛末は河口俊彦八段の著書「盤上の人生 盤外の勝負」に書かれています(P.93~94)。

詳しくはそちらで読んでもらうとして、ここでは概略だけ紹介します。

その当時、すでに将棋会館(東京)は建設されてから20年以上経過しており、いっそのこと建て直して新将棋会館をつくろうか、という話が持ち上がりました。

羽生さんはこの問題に対して、建築家に意見を求めるのはもちろん、自分でも建築を学んだうえで「建て直すべき」という結論に至ります。

その案を同僚の棋士たちにも見せ、建て直しに賛同する意見を事前に得ました。

なのにいざ蓋を開けてみたら、大半の棋士が裏切っていた、というのが事件の大筋です。

-羽生善治

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