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藤井猛九段の「新手」を生み出すモチベーション

2017/06/23

将棋世界2015年7月号にて、「創造の原動力」という企画がありました。

藤井猛九段・佐藤康光九段・菅井竜也六段(当時)の升田幸三賞受賞者3名による特別座談会です。

この企画は菅井六段が升田幸三賞を初受賞した記念に行われ、8月号には中編、9月号には後編と、3ヶ月に渡って連載されました。

必要は発明の母

その中でズバリ、「新手を生み出すモチベーションはどこから来ているのか」という将棋ファンにとって気になる質問があります。

それに藤井猛九段が答えているので、どう答えているかを紹介します。

- (略)みなさんにお聞きしますが、新手を生み出すことに対してのモチベーションはどこから来ているのでしょうか。

藤井 昔は新手というのを特に意識してはいなかったですね。単に修正の繰り返しをしていたという感覚です。(略)僕の場合は周りから持ち上げられて、いつの間にか新手を指す棋士になっていました。ですから最初から「俺は人まねをしないぞ」とか、そんな志を持っていたわけではありません。おだてられての産物で、後付けです。でもファンの方に喜ばれているようなので、結果的にはよかったですね。

『引用:将棋世界2015年7月号(P.57)より』

この手の話題となると、「俺は人まねをしないぞ」という答えを期待してしまうのが凡人の人情というものですが、現実はこんなもんです。

天守閣美濃や居飛車穴熊を相手に従来の四間飛車で勝てるなら、藤井システムはそもそも必要ありませんから。

「必要は発明の母」という言葉があります。

必要だからこそ創ろうと思うのであって、 必要のないものをわざわざ創ろうとは思わないですもんね。

藤井システム誕生秘話

藤井猛九段は将棋世界2014年11月号「ぼくはこうして強くなった 藤井猛九段の巻(後編)」にて、藤井システムが誕生した経緯を詳しく説明しています。

というか、この号はほぼ丸ごとそのまま「藤井システム誕生秘話」です。

興味のある方に向けて、その内容を少しだけ紹介しておきます。

藤井九段がB級2組に在籍していていた平成7年頃、居飛車側の振り飛車対策として居飛車穴熊が急増し始め、その対策に振り飛車党は手を焼いていました。

そんな矢先に、深浦康市五段(当時)の居飛車穴熊を相手に「考えすぎの迷走」の末に惨敗を喫します。

その屈辱をエネルギーに転化させて、「居玉のままイビアナを直接攻める」手順を構築すべく研究に没頭するに至ります。

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藤井猛九段が明かす「藤井システム」創作秘話←少し表記ミスがあったので修正しました。

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