奨励会

元奨励会員の本音

2017/02/14

現在、将棋ライターとして活躍する後藤元気氏は、元奨励会員でもあり指導棋士三段でもあります。

これまでに出版してきた著書は、以下のものがあります。

  • 「将棋観戦記コレクション」
  • 「将棋棋士の名言100―勝負師たちの覚悟・戦略・思考」
  • 「将棋エッセイコレクション」
  • 「将棋自戦記コレクション」

一度は、書店で見かけたことのある本もあるのではないでしょうか?

女性奨励会員に対する本音

ところで、後藤元気氏はYOMIURI ONLINEにこういう記事を書いています。

この記事は里見香奈三段が休場から復帰し、三段リーグに参加するにあたって書かれたものです。

(画像:女流名人戦中継ブログより)

その本旨は女性として初の棋士を目指す里見香奈三段についてです。

・・・なのですがその文中に、男性奨励会員としての「女性奨励会員に対する本音」が明かされています。

筆者は矢内、碓井、木村と同年に奨励会に入会したため身近で見てきたが、気苦労は相当なもののように感じられた。

100人近くの男子のなかに女子3人。

10代の多感な時期に分け隔てなく接することは、どちらの立場からも難しかった。

公言する・しないは別として、根底には「あいつらは奨励会がダメでも女流棋士として生きていける。自分たちは奨励会を勝ち抜くしかない」という思いもあった。

男性は年齢制限を迎えると無職になる。

女性はたとえ奨励会を退会しても、華やかな女流棋士の道が残っている。

その差は天と地ほどもあるので、女性との対戦で負けるわけにはいかなかった。

(引用:壁を打ち破れ、女流棋士・里見香奈の挑戦より)

*文中の「碓井」は千葉良子女流三段、「木村」は竹部さゆり女流三段のこと。

奨励会とは全くの無縁のアマチュアでもなんとなく、「奨励会員はこう思っているんじゃないかな」と思っている人間臭い本音がズバリ。

どこにもぶつけようのない不満

女性奨励会員が女流棋士として生きていけるからといって、そのことが男性奨励会員の直接の不利益になっているわけではありません。

無職に比べればマシとはいえ、女流棋士の待遇もさほどいいものではなく、対局一本で食べていけるのはほんの一握り(上位5人だけとの噂アリ)です。

でも、そんなことは当事者にとっては関係のないことです。

かたやプロになれなければ無職、かたやプロになれずとも女流棋士。

奨励会の門戸は、男女問わず平等に開かれています。

しかし、同じ奨励会員という立場なのに、将来の保証が一方だけにあるという圧倒的な不公平感。

そのどこにもぶつけようのない不満は、いや、どこにもぶつけようがないからこそ、目の前の「いい思いの出来る立場にある」女性奨励会員に向かってしまうのでしょう。

 

でも、そんなやり場のない不満を内に秘めたまま、一体どんな将棋が指せるというのか・・・。

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