女流棋士

中村修・香川愛生師弟の不思議なジンクス

2016/10/31


第38期女流王将戦の挑戦権を獲得した香川愛生女流三段。

昨期とは立場を変えての、里見香奈女流王将へのリターンマッチですね。

師弟の不思議な縁

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(*)将棋世界2014年1月号

香川愛生女流三段は、第35期女流王将に就いたとき、将棋世界2014年1月号に寄せた自戦期に以下のようなことを書きました。

私は2つの理由から、この女流王将戦に不思議な縁を感じていた。

(中略)

先のご縁を感じた2つの理由は、本棋戦が「第35期」女流「王将」戦ということ。

唐突だが、第35期「王将」が誰がご存じだろうか?

正解は―中村修九段。なんと、私の師匠である。

このときの王将戦は、23歳の中村挑戦者が、中原誠王将を4-2で破って初めてタイトルを獲得したシリーズである。

ここまで見事に偶然が重なれば、誰しも「縁」を感じることでしょう。

しかし、師匠と弟子の不思議な縁は、皮肉な形で紡がれることになります。

奪取、防衛、失冠・・・縁には続きがあった

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(*)将棋世界2015年1月号

第36期王将戦は中村修王将と中原誠十六世名人が、立場を変えて再度激突し4勝2敗で中村王将が制しました。

第36期女流王将戦もまた、香川愛生女流王将が清水市代六段を相手に2勝1敗で防衛に成功します。

師匠、弟子ともに第36期を防衛に成功しました。

しかし、そのまた翌年に迎えた第37期は・・・。

第37期王将戦で中村王将は南芳一現九段を相手に3勝4敗で失冠します。

そしてまた、香川女流王将も、第37期女流王将戦で里見香奈女流二冠(当時)を相手に2連敗で失冠。

奪取時に香川女流三段が感じた「不思議な縁」は、翌年の防衛、翌々年の失冠まで同じ道を辿りました。

香川さんが女流棋士として大成するかが試されている

中村九段はそれ以降、タイトルを獲得することはなく、A級棋士にもなっていません。

そして弟子の香川さんも、女流王将戦以外では挑戦者にすらなれていません。

今のところ「不思議な縁」は、棋士としての飛躍を阻む「ジンクス」と化しています。

師匠と弟子の「不思議な縁」が、以降も同じ運命を辿るなら、それは香川さんにはもう飛躍の機会が存在しないことと同義です。

それを打破するためには、女流棋士である以上、将棋で勝つしかありません。

相手は泣く子も黙る女流棋界の第一人者・里見香奈女流四冠。

世代は同じでも、実績は大差。

しかし、チャンスは訪れたときに掴み取らないと、次にまたチャンスが来る保証はありません。

今期の女流王将戦は、香川さんが女流棋士として大成するか否かが試されるシリーズだと、勝手に思っています。

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