将棋漫画

【名探偵コナン】太閤名人の妙手△4七角のモチーフになった将棋【チュウ吉】

1994年から少年サンデーで連載されている国民的推理漫画「名探偵コナン」を知らない人はいないでしょう。

原作の連載は今年で23年目、単行本は現在91巻(2017年2月現在)まで発売されています。

近年になって、将棋に関するキャラクターが登場しました。

その名も、通称「太閤名人」こと羽田秀吉(はねだしゅうきち)

愛称である「太閤名人」の名の由来は、本名が「羽柴秀吉」に似ていることから。

名前に「羽」とつき、寝ぐせまであるということは、あからさまにあの最強の棋士がモデルでしょうね。

太閤恋する名人戦

*「太閤恋する名人戦」は、原作のこの話がアニメ化された際につけられた題名です。

その太閤名人が巻き込まれた事件が、コナン第85巻に収録されています。

過去の対局がきっかけで、太閤の恋人(?)が人質にとられてしまうのですが、その対局シーンに出てくる盤面にご注目。

*以上の画像はいずれも名探偵コナン第85巻より

これらの局面を見てピンと来たかたもいるでしょう。

実は、モチーフになった将棋が実際に存在します。

谷川将棋「光速流」の名局

モチーフとなった将棋は、第62期棋聖戦第1局▲羽生善治竜王 対 △谷川浩司棋聖(いずれも肩書は当時)です。

先手が▲4八飛と王手銀取りに打った局面が、罪を犯してでも指したい、犯人の「必勝の一手」です。

先手玉は典型的な寄り形ですが、それを振り解くには▲4八飛から精算するしかありません。

この局面さえ凌げば、玉形の差で期待してもおかしくはないのですが・・・!

△4七角が先手の希望を打ち砕く、犯人でなくとも驚く妙手一閃!

角を取らせて飛車の位置を変えてから玉を逃がせば、先手玉への受けが利かなくなります。

中合いの手筋は将棋の教科書には当たり前に出てくるけど、実際に対局でこれだけ派手な手が成立するのは非常に珍しいです。

予定通り銀を取ると、7八で精算した後に4七角が詰みの拠点として働きます。

先手は角を取って詰ましにかかるしかありませんが、後手玉は詰みません。

守り駒が1枚もない後手玉なのに、角1枚渡しても詰まないと見切っているのです(桂馬を渡すと詰む)。

余談:必勝の一手?

ただし、この▲4八飛が本当に犯人が期待するほど「必勝の一手」かと聞かれると、それはかなり怪しいです。

将棋世界Special「谷川浩司」では、この将棋を羽生善治三冠と久保利明九段が「谷川将棋のすごさが分かる一局」として取り上げています。

羽生三冠は(仮に次の指し手が△4七歩なら)銀を取って指せると見ているのに対し、久保九段は銀を取らせても将棋が長引くだけで後手の優位は変わらない、と見ています。

両者の見解は微妙に違っていますが、いずれにせよ「必勝の一手」とまで期待するのは無理があるようです。

なのですが、コナンは推理漫画であって将棋の定跡書ではないので、将棋の内容まで求めるのはもっと無理な話ですよね。

犯人の動機は?

犯人の詳しい動機と、途中の推理はコミックスで見てね。

それと第85巻は、重大な伏線回収が行われます(表紙がヒント)。

「子どもの頃はコナン見てたけど、今は見てないなー」という人は、久しぶりに読むと、もう一度コナンにハマること間違いなし。

ちなみに太閤名人が初登場したのは第80巻で、いかにもな表紙が目印です。

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