将棋界の制度

タイトル戦前夜の「検分」と「前夜祭」とは?

2017/03/21

タイトル戦は、その前日に「検分」と「前夜祭」というものが行われます。

ニコニコやAbemaTVでは中継されませんが、タイトル戦を行う上でとても大切なプロセスなのです。

タイトル戦前夜にいったい何が行われているのか?

今年度夏に行われた、第57期王位戦第1局のそれらをベースに解説していきます。

検分

将棋の公式戦は基本的には将棋会館で行われていますが、タイトル戦は地方の由緒ある旅館や豪華なホテルで行われています。

対局場に着いてからまず行うのは、「検分」です。

翌日の対局を滞りなく行えるよう、前もって準備をしておくのです。

使う盤駒の種類や将棋盤の置き場所、さらには室温や照明の調整など細かいところまで配慮され、対局者が将棋に集中できるよう全力が注がれます。

王位戦第1局ではスペースを広く使えるよう、一部ふすまが外されました。

(画像:王位戦中継ブログより)

1枚目と2枚目の画像の右端に注目してください。

確かにふすまが無くなっています。

普通の宿泊客が勝手に部屋のふすまを外したら怒られると思いますが、将棋のタイトル戦ともなれば話は別です。

基本的には、対局者の要望が可能な限り優先されます。

すべては素晴らしい棋譜を生み出してもらうため、です。

これは余談ですが、ひふみんが人工の滝を止めさせた理由も同じことであり、単なる面白エピソードではないのです。

前夜祭

(画像:王位戦中継ブログより)

検分が無事完了すると、その後に行われるのが「前夜祭」です。

この前夜祭は、無関係な人間でも参加費を払えば参加することもでき、棋士との交流の機会をもつことができます。

対局者はもちろん、その対局の立会人と副立会人、そして会長ら棋士・女流棋士の関係者、さらにはその棋戦を主催する会社や対局場といった、関係者が一堂に会します。

大の大人が何十人と集まって何をするかというと、基本的には挨拶です。

他にも色々とありますが、詳しくは上記のリンク先を参照してください。

それぞれの立場の人々が、どういうあいさつをするかというと、だいたい以下のような感じです。

  • 対局者 → 対局にかける意気込み
  • 主催社のお偉いさん → いい将棋が生み出される期待
  • 対局場のお偉いさん → 将棋のタイトル戦の舞台として選ばれた喜び

ベタベタすぎるけど、こういうのはベタだからいいんです。

こういうセレモニーを淡々とこなしていることも、将棋が伝統文化として認められている理由なのだと思います。

-将棋界の制度