藤井聡太 記録から見る将棋界

藤井聡太四段はC級2組を1期抜けできるか?

2017/08/10

2017年度も6月に入り、名人戦が終わるとともに、いよいよ順位戦が開幕しました。

今期こそ渡辺明竜王が挑戦者になれるか?という興味もありますが、それ以上に興味を惹かれるのが、もちろん藤井聡太四段。

2016年10月1日付での四段昇段だったので、昨年度は参加できていませんでしたが、今期からついに順位戦に参戦します。

けっこう当たりが悪い藤井聡太四段

(画像:藤井聡太四段が24連勝!歴代2位タイにより)

藤井聡太四段が今期のC2で当たる、10人の棋士のデータをまとめました(以下の数字は2017年6月11日現在のもの)。

参考資料第75期C級2組順位戦第76期C級2組順位戦

藤井聡太四段の今期の当たりはどうなのかというと、ぶっちゃけけっこう厳しめです。

対局 手番 相手 年齢 前期成績
1 瀬川晶司五段 47 5勝5敗
2 中田功七段 49 3勝7敗
3 高見泰地五段 23 7勝3敗
4 佐藤慎一五段 34 4勝6敗
5 星野良生四段 28 6勝4敗
6 脇 謙二八段 56 4勝6敗
7 高野智史四段 23 7勝3敗
8 矢倉規広七段 42 4勝6敗
9 梶浦宏孝四段 21 8勝2敗
10 三枚堂達也四段 23 7勝3敗

B級2組以下の順位戦は、在籍人数が多いため総当たり戦ではなく、対局相手が抽選で決まります。

それはつまり、昇級のしやすさが運によって左右されるということです。

強い相手と多く当たれば当たるほど昇級しづらくなるし、その逆もまた然り。

将棋界での「強い人」というのは、「若い人」とほぼ同義です。

藤井四段の場合、前期7勝以上をあげた20代前半の棋士と4人も当たっているので、けっこう厳しい当たりだということになるわけです。

特に9回戦の梶浦四段は前期の4位(昇級した上位3名の次に成績がよかった)ですし、最終局の三枚堂四段も初参戦だった第73期に8勝した強敵です。

昇級には最低でも(10戦中)9勝が必要

初参加だと順位が悪いのも、昇級を阻む要因のひとつ。

棋士にとっての20代は最も勝てる時期であり、昨期昇級し損ねた活きのいい若手棋士が上位陣にゴマンといます。

藤井四段が1期抜けを果たすためには、順位下位のハンデを考えると、悪くとも9勝は必要で、8勝ではまず無理と考えるのが妥当です(前期の昇級者は3名とも9勝1敗)。

是非とも見てみたい「10代の名人」

順位戦初参加で昇級を果たすことを、いわゆる「1期抜け」といいます。

その「1期抜け」は、これまでの順位戦の歴史でどのくらいの頻度で起こっているのか。

過去6期(2011~2016年度)で4名が昇級しているとだけ聞くと、そんなに難しいことではなさそうですが、2011年度の船江恒平五段の前は、1989年度の屋敷伸之九段まで遡ります。

とどのつまり、1期抜けを果たすのは至難の業なのです。

しかし、データ的には難しくとも、藤井聡太四段はそもそもが規格外の存在。

最年少棋士記録を62年振りに塗り替え、プロデビュー以来の連勝記録をあっさり塗り替え、未だ無敗のまま最多連勝記録(28連勝)を30年振りに塗り替えようとしています。

藤井聡太四段には、ノンストップで順位戦を勝ち上がれば、10代で名人になれる可能性があるので、是非とも1期抜けしてもらいたいのです。

-藤井聡太, 記録から見る将棋界