ネット中継将棋観戦記

受け師の受け不発! 木村一基八段、無念の敗退

2016/10/28

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(画像:王位戦中継ブログより引用)

3勝3敗で迎えた第57期王位戦第7局は、羽生善治王位が制して防衛に成功しました。

これで羽生王位は第52期から6連覇し、通算タイトル獲得期数も96期になりました。

6度目の悲願成らず!

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(画像:王位戦中継ブログより引用)

敗れた木村一基八段は今回6度目のタイトル戦でしたが、またしても悲願は成りませんでした。

木村八段は今年43歳。

挑戦者になれただけでも奇跡的な年齢だけに、期するものがあったはずです。

上の画像は終局直後の木村八段の様子ですが、念願の初タイトルを逃した無念さが痛いほど伝わってきます。

不発に終わった「千駄ヶ谷の受け師」の受け

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4四から力強く天王山に出た△5五金が、これぞ「千駄ヶ谷の受け師」の受け。

もしこの対局に勝っていれば、43歳の初タイトルを導いた将棋史に語り継がれる一手となっていたことでしょう。

後手玉は不安定ですが、先手の攻め駒も乏しいので、これでも受け切れると見たのでしょう。

先手の攻めを凌げれば、5五金が△4七歩からの攻めの拠点として働きます。

しかし、将棋の神様は羽生王位の味方でした。

「自分らしい手」が敗着となった無念さ

逃げられた金の死角に飛び込む▲4四桂から、後手玉が寄ったのです。

「玉は下段に落とせ」の逆を行く寄せで、だからこそ木村八段も逃げ切れると読んだはずですが、玉単騎の逃避行には無理がありました。

一連の手順は金が4筋の守りに利かなくなった弊害がモロに出ていました。

つまりは△5五金が事実上の敗着ということになりますが、木村八段の持ち味がよく出た一手でした。

だからこそ、「自分らしい手」が敗着となって悲願の初タイトルを逃した、木村八段の無念の心中を察するに余りあります。

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