佐藤天彦

名人戦第1局は挑戦者・稲葉陽八段の先勝

第75期名人戦第1局は稲葉陽八段が72手で佐藤天彦名人を下し、挑戦者の先勝となりました。

72手という総手数が示す通り、天彦名人に見落としがあり、夕食休憩前に終わりました。

1日目の封じ手では異例の30分オーバー、2日目は異例の夕食休憩前に終局という、異例尽くしの第1局でした。

局後に天彦名人がTwitterを更新しており、48手目△85桂を見落としていたことをつぶやいています。

△65桂と△85桂の違いを簡単に言うと、△85桂なら後の手順で桂取り(先手の6筋の歩が66に伸びる)が残らない分、後手が得なのです。

名人戦についての渡辺明竜王の総評がこちら。

48手目△85桂はプロでも読みづらい手だったことが伺えます。

名人戦は早い終局で挑戦者の先勝。△85桂を見落としという名人のコメントがありますが、桂は65に跳ぶという読みでずっときているとウッカリし易い手で、自分も指されるまで気が付きませんでした。横歩取りにおいて△85桂が好手になることは少ないですし。
自分も今期竜王戦では14時過ぎに負けていますが、気が付いたら勝負所を通り過ぎている将棋では早く終わってしまうのは仕方がない面もあります。

(引用:渡辺明ブログより)

モバイル中継のコメントでも、△85桂は控室の棋士たちも当初は気付いていなかったことが書かれています。

ニコ生で解説を務めていた加藤一二三九段が△85桂を推しており、それを観て気付いたとのこと。

普通なら成立しない桂跳ね(普通なら駒は中央に使う方が本筋)が、本局に限って成立していたのは名人にとっては手痛い誤算でした。

-佐藤天彦