駒落ち将棋でも絶対に手を緩めないひふみん
2017/04/09
ひふみんこと加藤一二三九段はその知名度と実績から、著名人との駒落ち将棋を指すことが多いです。
ニコ生の企画「第零期獅子王戦」でひふみんは、映画「3月のライオン」で神木隆之介さん(桐山零役)と尾上さん(松本一砂役)の2人と、2枚落ちで手合わせして見事勝利しました。
昨年は幕張メッセで行われた闘会議2016にて、乃木坂46の(アンダーメンバーの)伊藤かりんさんとも4枚落ちで指し、勝利しています(→ 将棋世界 2016年4月号 P.171を参照)。
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素人相手でも闘志全開で戦う
御観戦いただいた皆様、ありがとうございました(*^^*)
ひふみんは今控え室でインタビューを受けつつ、カマンベールチーズで栄養補給を図り、先崎学九段ー藤井聡太四段戦を観戦そして記者さんに向けて解説中!ひふみん息つく暇もなし(o^^o) pic.twitter.com/CKFj6hl4fL— 加藤一二三@4/9東京武道館職団戦 (@hifumikato) 2017年3月26日
ひふみんは、駒落ち将棋の上手を持って強い棋士のひとりです。
なぜ強いかというと、誰が相手でもどんな状況でも、全力で勝ちに行くからです。
「今の若手は駒落ちの上手を持つと簡単に負けるでしょ。下手に花を持たせるというのかな。あれが私には信じられない。上手も全力で立ち向かう。その方が下手のためにもなると思うんだ。 私は二枚落ちでも全力で指しますよ」
2、3年前、タイトル戦の立会人として来ていた加藤から聞いた言葉だ。70歳を過ぎても下手に対して闘志むき出しで立ち向かう。こんな棋士も他にいないだろう。
(引用:将棋世界Special Vol.4「加藤一二三」
P.99~100より)
上記のようなイベントの、ゲスト相手といえども手を緩めて、花を持たせるようなことは絶対にしません。
ゲストに勝たせた方がイベントは盛り上がりそうなものですが、どんな相手でも全力で戦い抜くのがひふみんの流儀なのです。
駒落ちでも攻め倒す
ひふみんの上手の指し方は、下手に攻めさせて、なんだかんだとごまかして逆転する上手芸ではありません。
元々戦力で劣りながらも、積極的に駒をぶつけて攻めていきます。
貫録ある巨体、着手の際の一際大きい駒音。
数々の大勝負を制してきた歴戦の名棋士に、闘志全開で向かって来られたら、素人が気迫負けするのは無理もありません。
77歳になってなお将棋への情熱を失わない、ひふみんの棋士としての矜持が垣間見れるエピソードといえます。