「ひふみんアイ」ってなんぞや?
2018/02/02
ほんの一昔前にはその概念すらなかった「観る将棋ファン」が世間に定着してきたと感じる昨今。
ニコニコ生放送で将棋中継を観ている方にはお馴染みの「ひふみんアイ」というワードがあります。
将棋に興味はあるけど「ひふみんアイ」を知らないという方は、是非この機会に覚えていってください。
ひふみんアイとは?
ひふみんアイとは、読んで字のごとく「ひふみん」こと加藤一二三九段に由来する言葉で、以下のようなことを指します。
近年は、動画中継サイト「ニコニコ動画
」で将棋番組が放映されることが多くなっています。
同サイトを主催するドワンゴは、 新棋戦「叡王戦」を主催してくださり、ありがたいことです。
将棋の中継時に映す盤面は 基本的に先手が下になるのですが、視点を変えてみようとたまに後手が下の局面にひっくり返すことがあります。
このひっくり返った局面は「ひふみんアイ」と呼ばれていますが、私の思う以上に浸透しているのでちょっと驚いています。
「ひふみん」とは、私の名前をもじったあだ名ですが、ネット上では結構浸透しているようです。
私も自身のツイッターで「ひふみん」のネームを愛用しています。
(引用:求道心 誰も語れない将棋天才列伝
P.134より)
なぜわざわざ盤面をひっくり返すかというと、それにより同じ局面でも見え方が変わって見えることがあり、より深い形勢判断に役立つからです。
将棋ファンにとってもお馴染み
下記の通り、わざわざ「ひふみんアイ」の意味を説明するまでもなく、将棋ファンの間では認知されています。
不思議なことに、同じ局面のはずなのに先手側から見た時と後手側から見た時では、局面の雰囲気や形勢が違って見えます。これで、より正確に局面の良し悪しや攻めるべきか守るべきかなどを判断することができ、読みも正確になるという効果もあるようです。
これが「ひふみんアイ」。
ニコニコ生放送の将棋放送では、普通に解説者や聞き手が「ここで『ひふみんアイ』を使ってみますか」とか「『ひふみんアイ』で見たら先手がやれそうです」などと話していたりします。
加藤九段より何十年も後輩の棋士、女流棋士の方々が「ひふみんアイ」という言葉を、今や違和感なく使っているのは、奇妙といえば奇妙です。が、すでに将棋ファンの多くはそんな不思議さを忘れて「ひふみんアイ」という言葉を受け入れています。
(引用:加藤一二三九段の「ひふみんアイ」がついに地上波に。本人自らクイズにして出題、クイズ女王の篠原かをりさんに挑むより)
将棋棋士なら誰もがすることだが・・・
盤面をひっくり返して形勢判断をするのは、何もひふみんだけでがやっていることではありません。
将棋棋士なら誰もがすることなのですが、普通は頭の中でするのです。
ひふみんの場合は相手が席を外したときに、本当に相手側に回りこんで盤面を見るのです。
これを初めて行ったときに、素晴らしい妙手を発見してその将棋で快勝したことで、以来ひふみんにとっての定番となりました。