渡辺明 羽生善治

羽生善治三冠の高速道路理論は元々、当時20歳の渡辺明竜王を指して述べたもの

2017/04/22

羽生善治三冠がかつて語った、いわゆる「高速道路理論」というものがあります。

「ITとネットの進化によって将棋の世界に起きた最大の変化は、将棋が強くなるための高速道路が一気に敷かれたということです。でも高速道路を走りぬけた先では大渋滞が起きています。」

(引用:シリコンバレーから将棋を観る P.42より)

つまり高速道路理論とは羽生善治三冠が、「情報化社会の本質」をピタリと言い当てた概念であり、それを梅田望夫氏が「ウェブ進化論」に書いたことで一気に広まりました。

「大渋滞を抜け出した人」としての渡辺明竜王

この「高速道路理論」とは元々、2004年に竜王を獲得したばかりの渡辺明竜王(当時20歳)のことを、「(高速道路を走りぬけた先の)大渋滞を抜け出した人」と表現して述べたものなのです。

現代は情報化が進み、将棋が強くなる方法論も昔と比べて格段に進歩をした。だから、高速道路に乗るようにあるレベルまでは猛スピードで到達してしまう。

しかし、そこからは同じような高いレベルの人達がたくさんいて、後ろからも新しい人がやって来て、中々抜け出す事が出来ない大渋滞が起こっているのではないか。

渡辺新竜王は若い世代として初めてその渋滞から抜け出した人で、その原因を考えてみると量を質に変えたのではないか。

つまり、大量にある情報の中から良質のものを選び出し、自分なりに消化して渋滞を抜ける道を発見したのでは。

(引用:羽生善治二冠(当時)が見た渡辺明竜王より)

高速道路理論がどういうものかを詳しく知りたい場合は「ウェブ進化論」を読んでもらうとして、ここからは別のお話。

「打倒羽生世代の旗頭」から追われる側の立場へ

(画像:棋王戦中継ブログより)

渡辺明竜王が20歳で竜王を獲得したのは2004年なので、今から13年前のこと。

その前年、19歳で王座戦の挑戦者になり、フルセットの末に惜敗するも、「羽生を震えさせた男」として有名になったのは2003年の秋。

その当時羽生王座は33歳で、渡辺竜王も今年で33歳になります(1984年4月23日生まれ)。

つい数年前までは「打倒羽生世代の旗頭」だったのが、ここ2~3年は年下の棋士とタイトル戦を戦うことも増えてきました。

そしてこの度、5人目の中学生棋士として藤井聡太四段がプロデビューし、以来ものすごい勢いで勝ちまくっています

森内俊之九段もA級から陥落してフリークラスに転出し、二度と名人に返り咲くことも無くなりました。

つまり、追う側だった渡辺竜王が、いつの間にか追われる側の立場になっているのです。

将棋界の勢力図はここ10年ほどしばらく変わりませんでしたが、実は確実に変わっていっています。

-渡辺明, 羽生善治