女流棋士

マイナビのシンデレラガール 長谷川優貴女流二段の現在

2016/10/31

hasegawa

(画像:マイナビ女子オープン中継ブログより引用)

みなさん、この方を憶えていますか?

かつてマイナビ女子オープンで鮮烈な女流棋士デビューを果たした、長谷川優貴女流二段です。

度肝を抜いたシンデレラ

【第5期マイナビ女子オープン本戦トーナメント】

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(画像:日本将棋連盟より引用)

長谷川優貴女流二段が女流棋士としてデビューしたのは2011年10月1日、16歳のとき。

そのデビュー局となった第5期マイナビ女子オープン本戦トーナメント2回戦。

本戦2回戦がデビュー局なのは、アマチュア選手として予選を抜けて本戦に出場し、その途中で女流2級の資格を得たからです。

それだけでも十分にすごいのですが、その本戦2回戦で甲斐智美女流王位(当時)を持将棋指し直しの末にねじ伏せて勝利し、周囲の度肝を抜きます。

その勢いのまま、斎田晴子女流五段、清水市代女流六段にも勝って、なんと上田初美女王(当時)への挑戦権を獲得してしまいます。

女流棋士としてデビューしてからわずか4局目、期間にして4カ月での快挙でした(参照:日本将棋連盟より)。

 

低迷するシンデレラ

hasegawa

(画像:日本将棋連盟より引用)

このまま女王のタイトルも獲得していれば本物のシンデレラでした。

ですが、年度が明けて開幕したマイナビ女子オープン五番勝負は上田女王に3連敗で敗退し、内容も実力差を感じるものでした。

初タイトルはさすがにまだハードルが高いようでしたが、あれだけ鮮烈なデビューを飾れば、否が応にも期待してしまうのがファン心理というもの。

しかし、その期待は見事に裏切られます(一方的に期待しただけですけどね)。

シンデレラストーリーから約5年が経過した現在。

女流棋士生活6年目を迎えた長谷川さんの、各年度の成績を表にまとめました(2016年度は9月30日現在まで)。

年度 年齢 対局数 勝数 負数 勝率
2011 16 7 6 1 0.8571
2012 17 17 7 10 0.4118
2013 18 15 9 6 0.6000
2014 19 10 4 6 0.4000
2015 20 11 4 7 0.3636
2016 21 7 3  4 0.4286

かつて、あれだけ将棋界を賑わせたシンデレラはどこへ行ってしまったのか。

女流棋界は、というか将棋界は勝てば勝つほど対局数が増える制度のため、実力のバロメータは対局数に着目します。

タイトル争いをするほどの女流棋士の対局数は、だいたい25局前後。

もちろんあれ以来女流タイトル挑戦はなく、それどころか挑戦者争いに加わることも無くなっています。

wikipediaの長谷川優貴女流二段のページでは、こんな風に書かれる始末。

  • 2013年度、予選の概念がない倉敷藤花戦以外では、参加全棋戦(5棋戦)で予選敗退となっている。倉敷藤花戦も16強に留まった。
  • 2014年度、第8期マイナビ女子オープンで本戦出場を果たすが、1回戦で敗退。倉敷藤花戦は初戦敗退。その他4棋戦でも予選敗退。
  • 2015年度、第23期倉敷藤花戦の1回戦で勝利も2回戦で敗退。女流王将戦、女流王座戦、マイナビ女子オープン、女流王位戦の4棋戦では予選初戦での敗退を喫していて低迷している。

ここ数年はどの棋戦でもほぼ予選落ちしているようで、カモ筋にされています。

今年もこのペースだと、10局前後で終わるでしょう。

たったこれだけしか対局がなくて、生計は大丈夫なのだろうか?

魔法の解けたシンデレラ

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長谷川女流二段の師匠・野田敬三六段の弟子への評価は以下の通り。

2年半ほど前のものなので、この対談が行われた当時はまだ女子高生でした。

長谷川は普段は普通の女子高生です。

マイナビの挑戦はでき過ぎ。いまでも里見さんと大駒1枚違うでしょう。

でも、才能はあるし、確実に強くなっている。これからの活躍はこれからの努力次第。

気持がひたむきだし、努力次第では里見さんに追いつく可能性もあると思う。

(引用:将棋世界2014年4月号「棋士に聞く本音対談」より)

里見さんに追いつくどころか、前述の成績が示す通り、なかなか低迷したまま抜け出せていません。

移転前のブログでこの記事を書いたときにつけた題名は「魔法の解けたシンデレラ」で、我ながら言い得て妙だと思っています。

マイナビの後で魔法が解けたのか、それとも悪い魔法にかかっているのか。

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