お金の話@将棋界

ひとりの若者に破格の賞金と名誉をもたらす竜王ドリーム

2017/06/06

竜王戦は創設されて以来、将棋界で最も賞金額が高い、序列1位の棋戦として君臨しています。

創設当初の賞金は2600万円でしたが、それから徐々に賞金額が値上げされていき、第30期(2017年度)の賞金額は4320万円!

バブル崩壊以降、「失われた20年」と形容される日本経済とは真逆の歴史を辿ってきました。

シンデレラボーイを生む棋戦

竜王戦には、賞金額が高い以外にも「竜王ドリーム」の要素があります。

2016年(第29期)までに竜王在位者は8名いますが、そのうちの6人が、若くして獲得した初タイトルなのです。

棋士(敬称略) 年齢
1 1988 島朗 25
2 1989 羽生善治 19
6 1993 佐藤康光 24
11 1998 藤井猛 28
17 2004 渡辺明 20
27 2014 糸谷哲郎 26

残る2人は谷川浩司九段と森内俊之九段で、初タイトルは竜王ではなく名人です。

上の表の通り、20歳そこそこの若者が、数千万円の賞金を獲得できるとともに、序列1位のタイトル保持者として、将棋界の代表として扱われます。

未だに年功序列から抜けきれない、役所や会社に務めている身ではほぼあり得ないことが、将棋界ではザラに起こるのです。

竜王戦も1組から6組までランクがあるが、6組の新人棋士でも1位になれば決勝トーナメントに出場でき、さらに勝ち上がれば挑戦者になれる。

つまり、わずか1年で竜王を獲得することも夢ではないのだ。

新入社員がいきなり社長に昇進できるシステムの竜王戦は、まさに「と金ドリーム」が叶う棋戦といえよう。

(引用:「と金ドリーム」が叶う竜王戦は優勝賞金が3900万円より)

竜王戦は同格とされる名人戦とは違い、棋士生活1年目の新四段でも竜王になるチャンスがあります。

つまり竜王戦は、ひとりの若者に破格の賞金と名誉をもたらす、いわばシンデレラボーイを生む棋戦なのです。

破格の賞金が生んだ「竜王御殿」

(画像:王位戦中継ブログより)

その賞金額の高さを際立たせるエピソードがあります。

渡辺明竜王と藤井猛九段は若くして豪邸を建て、棋士仲間からは「竜王御殿」と呼ばれています。

藤井猛九段は以前に竜王を3期獲得し、30歳で東京・西荻窪に家を建てた。

渡辺竜王も2年前、23歳の若さで西荻窪に家を建てた。

訪ねた人の話では、どちらも豪邸だという。つまり西荻窪には、「竜王御殿」が2軒もあるわけだ。

じつは、私も西荻窪に長く住んでいる。しかし高額賞金に縁がなかったので、いまだ賃貸マンション暮らし。

これが勝負の世界の現実である。

(引用:「と金ドリーム」が叶う竜王戦は優勝賞金が3900万円より)

竜王ドリームを掴んだ棋士と、掴めなかった棋士の落差が激し過ぎますが、勝負の世界なので勝った者が富めるのは当然のこと。

西荻窪を歩いているとき、その中でひときわ豪勢な住宅があった場合、そこはもしかしたら渡辺家 or 藤井家かもしれません。

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