10年に1度のペースでスターを生む将棋界
明日はいよいよ、藤井聡太四段が公式戦29連勝、つまり最多連勝記録更新を懸けて、増田康宏四段と第30期竜王戦決勝トーナメント1回戦を戦います。
日本中が注目する対局なのは間違いなしですが、渡辺明竜王いわく「現役棋士では藤井四段の次に若い増田四段との対戦はプロも注目する一局」とのこと(参照:渡辺明ブログより)
おそらく日本人の大半は藤井四段勝利を願っている状況なので、なおのこと増田四段にとっては負けられない勝負でもあります。
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増田康宏四段の心境
プロデビュー以来の連勝記録を28(歴代1位タイ)に伸ばした、将棋の #藤井聡太 四段の次戦を、6/26(月)あさ10時🕙より生中継します!
🐲「竜王戦」の挑戦者決定トーナメント、増田康宏 四段との対局です。https://t.co/OnGhMJgiSd pic.twitter.com/YX2Kefcyjz
— ニコニコ@ニコ動公式 (@nico_nico_info) 2017年6月21日
山口恵梨子女流二段に「増田四段ちょっと意気込みすぎているんじゃないかな」と突っ込まれたコメントとは別に、増田四段が連盟を通じて対局前にコメントを出しています。
大勝負に先立ち、対戦相手となる増田康宏四段(19)が23日、日本将棋連盟を通じて対局前の心境をコメントとして発表した。棋士が対局前にコメントを出すのは異例中の異例だ。
増田四段は「竜王戦本戦という大きな舞台で戦えることをとてもうれしく思っています。対戦相手の藤井四段は素晴らしい実力を持った棋士なので、勝つためには一手のミスも許されない、完璧な将棋を指さなければいけないと思っています。まさかここまで注目される勝負になるとは予想もしていませんでしたが、冷静に自分を信じて戦いたいと思います」と抱負をつづっている。
「力勝負に持ち込み、攻め勝つ心構え」だったのが、「一手のミスも許されない、完璧な将棋」になっています。
表現は穏やかになっていますが、よりハイレベルな将棋を指すと宣言しており、以前に増して意気込みがヒートアップしております。
どちらが勝っても日本中が大騒ぎ
【英才教育】藤井聡太四段が3歳から愛用した立体パズル「キュボロ」に注文が殺到https://t.co/ojLBZv8gt0
集中力や立体・空間的な構造を理解する力、論理的思考力などが身に付くそうです。 pic.twitter.com/xCoCUtXvii
— ライブドアニュース (@livedoornews) 2017年6月25日
この将棋に藤井四段が勝てば、新記録29連勝を成し遂げたとして、今まで以上に社会がその才能を賞賛するでしょう。
もし藤井四段が負ければ、新記録を阻止し、先輩棋士の意地を見せたとして、増田四段の名が世間に知れ渡ることになります。
とどのつまり、明日の対局はどちらが勝っても、日本中が大騒ぎすることは間違いないことなのです。
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10年に1度、スターを生んできた将棋界
それにしても、将棋の対局がこれだけ社会的に注目を集めたのはいつ以来のことだろう?
一番最近の例で言えば、渡辺明竜王が3連敗後の4連勝(将棋史上初)で羽生善治名人(当時)の永世七冠を阻止した、2008年の竜王戦第7局以来だろうか?→羽生善治三冠の高速道路理論は元々、当時20歳の渡辺明竜王を指して述べたもの
さらに遡ると、羽生善治七冠が誕生した1996年の王将戦。
さらにその前は1983年の、最年少21歳での谷川浩司名人誕生。→谷川浩司九段の「21歳最年少名人」記録の凄さを検証する
こうやって年表にしてみると、将棋界はおおよそ10年に1度のペースで、社会的にその名が認知される「スター」を生んでいることになります。