藤井聡太

藤井聡太四段はいかにして「コーヤン流」と戦うのか?

2017/08/03

日本中を熱狂の渦に巻き込んで勝ち進んだ、藤井聡太四段の連勝街道はついに30を目前にしてストップ。

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これで竜王戦は敗退となったわけですが、30戦してようやく1敗したくらいでは対局数はそうそう減りません。

次の対局は7月6日(木)、C級2組順位戦2回戦。

その対局相手は、今年の夏に50歳を迎えるベテラン棋士・中田功(いさお)七段です。

大名人の弟子であり、現名人の師匠でもある

(画像:将棋・佐藤天彦名人の就位式、ファンら400人祝うより)

中田功七段は大山康晴十五世名人を師匠に持ち、佐藤天彦名人を弟子に持っています。

大名人の弟子であり、現名人の師匠でもある棋士ならば、さぞかしすごい実績がありそうに思いますが、ところがどっこい。

順位戦は最高でC級1組、現在C級2組の降級点がひとつ、竜王戦は5組在籍、タイトル獲得や棋戦優勝もなし(2017年7月3日現在)。

藤井四段の連勝記録について、渡辺明竜王は「この3人が抜かれてしまったら、もう誰が勝てるのか。お手上げ状態になる。」とおっしゃていました。

この3人、つまり澤田真吾六段、増田康宏四段、佐々木勇気五段といった面々ほどの実績はなく、年齢的にも指し盛りは過ぎています。

棋士間でも一目置かれる「コーヤン流」

では御しやすい相手なのかといえば、それは全く違います。

中田功七段には「コーヤン流」と称される、磨きに磨き上げた独自の戦法があります。

「コーヤン流」とはどういう戦法なのか、将棋世界2017年7月号より引用して紹介します。

三間飛車の名手として知られる中田功七段が長い年月をかけて育て上げてきた「コーヤン流」は、三間飛車の天敵ともいえる居飛車穴熊を、角の利きを生かした攻めで攻略する戦法です。

(略)

中田功七段の端攻めはまさに職人芸で、ファンの方はもちろん、棋士の間でも憧れの的となっています。

(引用:将棋世界2017年7月号より)

振り飛車党のアマチュアにも根強いファンがいるとみえ、最近になってコーヤン流三間飛車の極意という本がけっこう強気の価格(kindle版は安い)で復刊されています。

将棋世界2017年7月号でも、「イビアナ破りの三間飛車」特集で、そのうちのひとつの戦法として解説されています。

特にこのコーヤン流は、中田功七段自らによる基本手筋の解説があり、さらに門倉啓太五段による最新定跡の解説ありの二段構えとなっています。

藤井四段は相手の土俵に上がるのか?

このように、中田功七段は一芸に秀でたスペシャリストタイプのベテラン棋士です。

藤井四段は居飛車党であり、ヘタに穴熊に組むようなことがあれば、いわゆる「一発食う」ことは存分にあり得ます。

もちろん藤井四段が、無為無策で対局に臨むとは考えられませんが、経験値で勝るのは間違いなく中田功七段です。

それを承知で、生粋のスペシャリスト相手にも相手の土俵で戦うのか、それとも別の指し方をするのか、そこに注目です。

-藤井聡太