藤井聡太四段に次ぐ現役年少棋士・増田康宏四段
2017/06/23
増田康宏四段が第47期新人王戦決勝三番勝負に進出し、第1局を制して新人王に王手をかけました。
追記(2016/10/11):第2局も制し、第47期新人王に輝きました!
増田四段は今年11月で19歳の十代棋士。
彼もまた、かつては5人目の中学生棋士の期待がかかっていた、早熟の天才です。
堂々たる勝ちっぷり
(画像:新人王戦中継ブログより引用)
増田康宏四段は16歳11カ月で、2014年10月1日付で四段になりました。
つい最近まで現役最年少棋士でしたが、14歳2ヶ月の最年少棋士が誕生したことで、増田四段は最年少棋士ではなくなりました。
今年で棋士3年目、2016年10月2日までの成績を表にまとめました。
年度 | 年齢 | 対局数 | 勝数 | 負数 | 勝率 |
---|---|---|---|---|---|
2014 | 17 | 8 | 5 | 3 | 0.6250 |
2015 | 18 | 47 | 35 | 12 | 0.7447 |
2016 | 19 | 20 | 20 | 8 | 0.7143 |
通算 | * | 83 | 60 | 23 | 0.7229 |
2015年度は対局数10位タイ、勝数7位タイ、勝率3位、連勝4位タイ(11連勝)という堂々たる勝ちっぷり(参照:日本将棋連盟)。
スターの素質
第74期C級2組順位戦では初参加ながら昇級戦線に加わり、8勝2敗の成績でしたが順位が悪く昇級は逃しました。
同年度の加古川清流戦では決勝まで勝ち進みましたが、そこで稲葉聡アマに敗れ、史上初のアマチュア選手による棋戦優勝を許してしまいました。
しかし、こういう歴史的な舞台に立ち会うのは、スターの素質アリの証拠。
デビュー前から認められていた才能
増田四段は修行時代は羽生善治三冠と同じく、「八王子将棋クラブ」で腕を磨きました。
「八王子将棋クラブ」の席主の八木下氏が、当時奨励会三段だった増田四段について言及しています。
八木下 「阿久津君は生意気そうな顔をしていましたね(笑)。中村太一君は物静かな少年だった。最近では奨励会三段の増田康宏君(森下九段門)が大物の顔をしている。将棋を指す前からすごいと思った」
さらに、増田四段の師匠である森下卓九段の評。
-(略)森下さんにも増田康宏三段という超有望株のお弟子さんがいる。
では、佐々木君や増田君は羽生さんの後を継ぐ棋士になれますか?
森下 死ぬ気でやれば可能性はある。だが、羽生さんほどの魂を持って死ぬ気でやらないと厳しい。
谷川さん(浩司九段)は小学校1年でアマ7級だった。それが佐々木勇気君は小学校1年でアマ四段になり、他にも小学校1年でアマ三段クラスはごろごろいる。
だから彼らには才能はある、環境はある。でも、死ぬ気でやる根性があるかどうか。
それがなければ羽生さんを超えるのは大変です。
●引用:将棋世界 2012年 10月号
デビュー前からその名前が出るのは、才能を認められている証拠です。
今年の新人王戦で逆転負けするようなことがなければ、この方もゆくゆくは将来の将棋界を背負う存在になれるでしょう。
あと2~3年のうちにタイトル戦に出場するようなら、ますます本物です。