谷川浩司

成績は低迷しても、やはり「格」が違う谷川浩司九段

谷川浩司九段が2014年秋に紫綬褒章を受賞したとき、その受賞を祝う会でこのように語りました。

祝福を受けた谷川九段は感無量の表情で、「このところ、棋士としてはみなさんに顔向けできない成績しか残せていませんが、50代になっても存在感を示すことはできるはず。

これからも10代、20代の若い後輩らと盤上で濃密な会話を交わせるよう精進していきたい」と話し、会場から大きな拍手を浴びた。

(引用:「50代の存在感示したい」 谷川九段の紫綬褒章祝う会より)

ご本人も「顔向けできない成績」と認めている通り、谷川浩司九段は40代後半からパッとしない成績が続いています。

昨年9月に、失速する光速流という記事を書いたときと、あまり状況は変わっていません。

近年は「対局数30、勝率4割」がデフォルト

年度 年齢 対局数 勝数 負数 勝率
2010 48 29 11 18 0.3793
2011 49 27 10 17 0.3704
2012 50 26 11 15 0.4231
2013 51 36 14 22 0.3889
2014 52 32 12 20 0.3750
2015 53 28 11 17 0.3929
2016 54 30 12 18 0.4000

51歳のとき、それまで32期連続で在籍したA級(名人位含む)からも陥落し、永世名人であるがゆえに引退が取り沙汰されました。

今期でB級1組は4期目ですが、過去3期は指し分け(6勝6敗)が最高で、A級カムバックには厳しい状況。

21歳で史上最年少の名人になり、最盛期には四冠王にもなり、十七世名人の資格も得た超一流棋士としては、寂しい限りの成績です。

それでもその他の棋士とは「格」が違う

(画像:棋聖戦中継ブログより)

しかし、それはあくまでも谷川九段の成績だけに着目すればの話。

もう少し広い視野から考えれば、やはり谷川九段は、その他の棋士とは「格」が違うのです。

その理由は、50代以上の棋士の中でただ一人、B級1組に在籍しているからです。

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同世代の棋士と比べてみると

その他の50代以上の棋士は、B級2組ならまだいい方ですが、それでも5名しかいません。

例えば、高橋道雄九段、塚田泰明九段、南芳一九段といった面々は、いわゆる「花の55年組」といわれる棋士で、谷川九段とはほぼ同世代にあたります。

彼らはいずれも、A級及びタイトル獲得経験がある棋士ですが、今では3人とも揃ってC級まで落ちています。

このように、並以上の実績を持った棋士でも、50歳を過ぎれば、坂道を転げ落ちていくかの如くクラスが下がっていく現実があります。

それゆえに、55歳になってなおB級1組で踏み止まっているのは、谷川九段の格の違いの証明なのです。

幸先よい白星スタート

今期のB級1組は降級枠がひとりだけとはいえ、誰も降級しそうな人がいないほどの強豪ぞろいです。

それでも谷川九段は、初戦で20歳以上年下の実力派棋士・橋本崇載八段に勝ち、幸先よくスタートを決めました。

紆余曲折の末に会長職から解放されたので、今期は降級回避ではなく、カムバック目指して勝利を重ねてほしいです。

そうすればその先には、最年長名人の快挙も!

-谷川浩司