藤井聡太

藤井聡太四段、凄すぎる逆転劇で14歳最後の対局を制する

2017/07/12

藤井聡太四段が加古川青流戦で都成竜馬四段に勝ち、連勝記録がストップしてから2連勝を決めました。

前局の中田功七段戦も、打ち歩詰めの形を逆手にとって詰みを逃れて逆転勝ちをするという神業的な勝ち方でした。

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そして本局も、それに負けず劣らずのすごい勝ち方でした。

凄すぎる

(↑)この将棋を見た感想を、そのまま文字にするとこうなります。

(画像:14歳最後の対局 藤井四段、加古川青流戦で8強より)

この勝ち方にすっかり魅せられてしまったので、都成四段が同じ相手に3回負かされてしまったことは、もうどうでもいいです。

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玉頭戦で劣勢に陥る

先手の都成四段が得意の5筋位どり中飛車から、藤井四段のやや作戦勝ちに進みましたが、藤井四段の桂跳ねを都成四段が咎め、玉頭の主導権を先手が掌握しました。

玉頭戦のセオリーは、なるべく自玉の周りに多くの駒を盤上に配置すること。

セオリー通りの先手と、あろうことか玉がひとりぼっちで中段に引っ張り出されている後手。

これがアマ有段者同士の対局なら、十中八九このまま先手が押し切って勝ちます。

逆転へとつながる△1五歩

3筋から押し潰そうとする都成四段に対して、3筋から早逃げしようとする藤井四段が、逃走の最中に指した△1五歩が、逆転への遠因となった勝負手。

結果的に、△1五歩が入る(=先手が取ってくれる)タイミングはここしかなかったし、これが入らなければ逆転勝ちなどとても望めませんでした。

そしてすかさず早逃げし、▲3四歩の取り込みには、△7二飛と回ったのが驚愕の一手。

なぜなら、次の▲6一銀が痛烈な一手で、続く▲2四角の味がよすぎるから。

5二には逃げられなくなったので、△4一玉と引くしかありませんが、▲3三歩成と指されて、人によってはここで諦めてもおかしくないくらいの局面です。

都成四段も▲6一銀と打って、手応えを感じていたことを終局後に明かしています。

一方、3連敗を喫した都成四段は終局後、「指し進めるうちに模様が良くなり、若干指しやすい感じになった。6一銀と(敵陣へ)踏み込んだ時には勝てると思った」と話し、悔しさをにじませた。

(引用:藤井四段、通算31勝目 玉を四段目まで進める展開に解説者が驚愕 「ゴールキーパーが前で戦うようなもの」より)

それは当たり前の話で、どこからどう見ても先手玉は安泰、後手玉は見るからに絶体絶命。

ところがこの局面でも、藤井四段だけは寄せを見据えていました。

鮮烈な決め手△5一玉

敗北寸前の後手ですが、なにはともあれ手番が回ってきて、ここで先程突き捨てた1筋が役に立ちました。

1筋に歩を連打して、ただの地点に△2五桂と放り込んだのが盲点の寄せで、これで先手玉が一気に危なくなりました。

左右挟撃のお手伝いをしてまで飛車を走らせたことで、それまで眠っていた飛車角が1筋と2筋に利いているのが活きています。

自玉がアレなので△1七歩と節約したところですが、それは(たぶん)▲5九飛と逃げ道を開けられて寄せが難しくなります。

△2五桂なら3七に利いているので取るしかありませんが、△1七金▲2九玉と形を決めてから、あと1枚足りない金駒を取りに行く△5一玉!が鮮烈な決め手。

銀を取りながら安全地帯に脱出し、気がつけばいつも通りに大差がついて勝負アリとなりました。

「凄すぎる」としか言いようがない

常人なら怖くてとても指せないような手を連発しての逆転勝利でした。

これだけすごい逆転劇を見せられると、感動して「凄すぎる」としか言いようがありません。

この将棋の勝ち方がいかにすごいかを(ちょっとは)分かるだけで、今まで将棋を続けてきて良かったと心から思えます。

14歳最後の対局を白星で終える

藤井四段はベスト8に進出し、初の棋戦優勝が見えるところまで勝ち上がってきました。

今月19日に15歳の誕生日を迎える藤井四段にとって、本局は14歳最後の対局でした。

次の対局は21日、上州YAMADA杯です。

-藤井聡太