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菅井竜也七段が羽生善治王位に完勝で2連勝! 【第58期王位戦第2局】

第58期王位戦第2局(7月25・26日)は、菅井竜也七段が羽生善治王位に勝ち、2勝目を挙げました。

第1局に続いての2連勝で、初タイトルに大きく近づきました。

そして将棋の内容も素晴らしく、菅井七段の文字通りの完勝でした。

将棋世界2017年9月号に第1局の観戦記が掲載されています。

圧巻の指し回し

(画像:王位戦中継ブログより)

先手の菅井七段が初手5六歩と突き、羽生王位の3四歩を見て、3手目に意表の▲7八飛と三間飛車に振りました。

菅井七段は後手番で似たような指し方を多用しており、第1局もそうでした。

本局の菅井七段の序盤の指し回しは圧巻の一言で、1日目が終わって気が付いたら、羽生王位の指し手がなくなっていました。

理不尽極まりない罠

2日目になって、左金を連結させて高美濃囲いに組み上げた菅井七段は、早速攻めかかるかと思いきや、いきなり角を自陣に引き揚げてしまいます。

羽生王位は5筋から動きましたが、菅井七段はそうせざるを得ないことを見越しており、むしろ突かせるために角を引いたのです。

角をもう一度6六に戻し、なんと後手から突っかけたにも関わらず、後手からそれ以上形を解すことができないという理不尽極まりない罠が仕掛けられていました。

羽生王位は無理矢理局面を動かしに行きますが、その反動で本来銀冠にくっついておくべき右金がそっぽに追いやられてしまいました。

しかもそれを咎める形で先手はコビン攻めにシフトし、後手の6筋の金銀が全くの遊び駒になってしまいます。

勝負のアヤを求めて裏目に出る

このまま何もしないままだと完封負けしかねない羽生王位は、8筋で桂馬と歩を補充し、先手の美濃囲いの弱点である端攻めで勝負を懸けます。

普通なら、中盤の攻防が終わった、終盤の入口あたりで端攻めをするものですが、羽生王位は中盤のど真ん中で勝負のアヤを求めて端攻めしました。

つまり尋常ならざる形勢とみた勝負手ですが、この端攻めすらも裏目に出てしまいます。

香取りを手抜いて5四歩と突きだしたのが狙い澄ましたカウンター。

1七歩成には同桂と取り、なんとこの手が2五桂を見せた絶好の返し技になっています。

羽生王位からすれば、勝負のアヤを求めて端攻めしたのに、その端攻めすらも裏目に出てしまいました。

桂馬を攻めに参加させたあげく、桂馬を取るために飛車を8五に呼び込んでいるのも痛く、本譜では指されませんでしたが、何かの拍子に3五飛と転回する手がありました。

歩を渡し過ぎて歩切れになっていたのも後手にとっては地味に辛く、角筋を活かして攻められているのに(例えば5五歩とかで)角筋を止められませんでした。

菅井七段の完勝

この後も、早逃げしたのに早逃げになっていなかったり、玉頭の手厚さがウリのはずの銀冠が玉頭から攻め倒されたりと、羽生王位にとっては近年稀に見る完敗。

まるで菅井七段によって、羽生王位のやることなすことが全部裏目に出るように仕組まれていたような将棋でした。

本局の終局時刻は15時32分で、菅井七段は持ち時間を3時間以上も残しての完勝でした。

第1局も終局が18時過ぎで相当早いと思いましたが、本局はそれ以上でした。

さて、明日の第3局はどうなるのかな?

菅井七段が3連勝して大勢が決してしまうのか、羽生王位が1勝を返すのか。

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