ネット中継将棋観戦記(藤井聡太四段)

藤井聡太四段、師匠の兄弟子に勝って王位戦の初陣を飾る

2017/08/16

第58期王位戦七番勝負が白熱する最中、その影で始まっている第59期王位戦。

藤井聡太四段が小林健二九段に勝ち、王位戦予選初戦を突破しました。

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師匠・杉本昌隆七段の兄弟子


藤井四段の師匠である杉本昌隆七段の師匠の名を板谷進九段といい、小林九段の師匠でもあります。

つまり小林九段は、藤井四段の師匠の兄弟子に当たる棋士。

その小林九段は同じ板谷一門の系譜を継ぐ超新星を相手に、和服を着込んで挑みました。

破天荒な仕掛け

藤井四段の後手番で始まった本局、矢倉模様の出だしから、藤井四段がいきなり右桂をピョンピョン跳ね出して急戦を仕掛けます。

△7三桂と跳ねたのが10手目で、△6五桂と跳ねたのが14手目です。

AbemaTVでの羽生善治三冠との対局で出てきた▲4五桂も、えらい破天荒な仕掛けだと思いましたが、本局はそれ以上です。

しかし一見滅茶苦茶のようで、実はしっかり受けないと簡単に収拾がつかなくなる、恐ろしい狙いを秘めた手順でした。

なんとか対応して即負けは回避した小林九段でしたが、その代償として1歩損した挙げ句、駒組みが歪み、自陣を立てなおすことが困難になります。

中継を見ている最中は、藤井四段が機敏に仕掛けてリードを奪ったと思っていました。

その後の指し手も、自陣を充分に組んだ後に総攻撃を仕掛け、緩みなく寄せ切った、藤井四段の完勝譜だと思っていました。

仕掛けの代償

が、モバイル中継の感想戦コメントを読むと、実は意外に簡単ではなかったようです。

1歩得して自分だけ歩を持ち駒にした藤井四段でしたが、序盤早々に動き過ぎた代償として後手陣が立ち遅れており、自信がなかったようです。

本譜は小林九段が右玉に組み替えている間に、藤井四段が雁木に組み上げてから攻勢をとることができました。

しかし先手は手得を活かして、中央の位をとって(後手の角筋を二重に遮断する)戦えば先手も充分に指せたようです。

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