ネット中継将棋観戦記

糸谷哲郎八段を一蹴! 羽生善治王座が3連勝で王座防衛!

2016/10/28

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(画像:王座戦中継ブログより引用)

第64期王座戦第3局は羽生善治王座が糸谷哲郎八段を下して3連勝。

防衛を決め、王座戦5連覇及び、通算24期目の獲得。

さらにはタイトル通算獲得期数を97に伸ばしました。

来期には、前人未到のタイトル通算100期に届きそうです。

糸谷八段の2手目△8四歩

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糸谷八段が珍しく2手目△8四歩としたので、角換わりでもなく横歩取りでもなく相矢倉に。

棋聖戦第4局のように、後手が薄い玉形から5筋に飛車を振り、現代将棋らしくない互いに玉が薄い将棋になりました。

79手目▲4五桂はその中盤戦、本格的に戦いが始まった局面。

先手の攻め駒が急所に集まって、後手が危なそうです。

「シンプルにいきましたね。そうか△5二金には▲5四歩と突けるんですね。△5四同銀なら▲6五銀がありますから。これは後手が困っているかもしれません。後手陣が崩壊しそうです」(飯島七段)

(引用:79手目コメント)

羽生王座らしい受け

それから10数手進んだ局面がこちら。

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しかし糸谷八段も先手陣の弱点である8筋に味をつけ、先手の攻めに乗って反撃します。

95手目▲9七角が絶好の切り返しのように見えますが、△8八歩成の成り捨てが当然ながら後手の狙い。

飛車と銀を串刺しにした。ただ、この順は△8八歩成▲6八玉△7八と▲同玉△8七角で、先手にも怖いところがあるといわれていた。

(引用:95手目コメント)

本譜は△8八歩成▲6八玉△7九角と打ち、先手玉を5筋に呼び込んでから△8五飛とかわしました。

▲5三角成には、5五銀を取りながら王手馬取りがかかる寸法。

後手が一本取ったかに見えましたが、羽生王座の読みはその上を行っていました。

△8五飛に▲6六金と立って受けたのが、羽生王座らしい手だと思いました。

気持ちのいい桂跳ねが決め手

さっきまで華麗に捌き合っていたので、その最中でジッと受けるだけの手は見えづらい。

常人には見えづらい手を見えるのが、羽生王座が第一人者たる理由なのです。

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しかしよくよく考えてみれば、今度こそ後手は▲5三角成を受ける必要がありますから、後手を引いたようで引いていないのです。

やむなく角道を止める△8六歩ですが、後手の飛車先も重くなってしまいました。

ゆくゆくは取られそうな桂馬を▲8五桂~▲6五桂と跳ねる、気持ちのいい手順が成立するようでは、形勢的にも流れ的にも羽生王座の勝ち将棋です。

しかも、この桂馬が最後に寄せにも働きました。

王座戦の感想

昨年、糸谷竜王(当時)が渡辺明棋王(当時)と戦ったシリーズを見て、実力差があるな、と感じましたが、今回も同じ感想を持ちました。

それが1勝4敗(竜王戦)、0勝3敗(王座戦)というスコアにも表れているわけで、将棋の内容も「ああ、最後には糸谷八段の方が負けるんだろうな」と感じながら観ていました。

当たり前のことが当たり前に起こった、そんなシリーズでした。

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