ネット中継将棋観戦記(藤井聡太四段)

藤井聡太四段が期待通りに朝日杯一次予選で2連勝! 年度勝率が久々に9割を超える

第11回朝日杯将棋オープン戦一次予選で、藤井聡太四段が期待通りに2連勝し、一次予選決勝へと駒を進めました。

次局では二次予選進出を懸けて、右ブロックから勝ち上がってきた棋士と戦います。

...と、ただ事実だけを書けば、なんの苦もなく勝ち上がったように思えますが、実際は2局とも紙一重の勝負でした。

対・大石六段

序盤巧者の藤井四段が攻めに受けに巧みに指し、角を2枚敵陣に打ち込んだあたりは藤井四段が勝勢で、後はどうやって勝つか、という局面でした。

しかしそこからの大石六段の粘りが凄まじく、入玉含みの受けで藤井四段を翻弄します。

先手が逃げ切るか、後手が寄せ切るかの勝負になり、お互いナリフリ構わぬ応酬が続きましたが、最後に立っていたのは藤井四段でした。

...本局は大石六段が先手番だったので、ダイレクト向かい飛車が見られずにちょっと残念。

対・竹内四段

すでに2度も負かされ、もうこれ以上は負けるわけにはいかない竹内四段。

意表の初手7八飛戦法から、角交換して向かい飛車に振り直し、穴熊に潜ってから飛車をぶつけて戦端を開きました。

この手に対し、藤井四段は7分49秒の考慮で飛車交換に応じ、飛車をお互いに打ちあっていきなり終盤戦に突入しました。

私(アマ三段)はこの将棋を観ていて、ずっと藤井四段のペースで進んでいると思っていました。

飛車交換も、無難に指せば△8五歩のところを、そういう先入観に囚われずに局面を柔軟に捉えていて、だからわざわざ8分近く読みを入れて指しているのだと、そういう風に感じていました。

ずっと苦しいと思っていた

モバイル中継でも90手目△8六竜の局面を「後手よし」としており、このまま模様の良さを守りきって手堅く勝つのだと思っていました。

ところが局後の藤井四段の話では、飛車交換のあたりからずっと苦しいと思っていたそうで、飛車交換に応じたのも、「△8五歩と打つよりはマシ」だったからそうです。

96手目△1六同竜には、てっきり「光速の寄せ」が発動したのかと思い、こんな寄せ方があるのかと必死に寄り筋を考えていたのですが、藤井四段は「先手玉が見える形にしないと話にならない」と思って、勝負手として指したそうです。

秒読みの中の敗着

このあたりの形勢が実際にどうだったのかはよく分からないのですが、熱戦だった1局目を上回る熱戦になったのは間違いありません。

すでに両者ともに1分将棋になっており、お互い秒読みに追われて指すことがハッキリ多くなっていました。

勝負がついたのは、竹内四段が▲2二銀打と指し、藤井四段が△1四玉と逃げたところ。

後に1二金と打ち、2枚の銀を一掃して後手玉が安全になって大勢が決しました。

竹内四段は手に入れた金を4八に打ち、角を仕留めて最後の抵抗を試みますが、藤井四段が△1七香成から寄き切り、146手までで藤井四段が制しました。

本局はお互い持ち時間が40分で、14時から対局が始まり、終わったのは16時47分でした。

決着がつくまでに3時間近くもかかるという、正真正銘の大熱戦でした。

年度勝率が再び9割台に乗る

本日2勝したことにより、藤井四段の2017年度成績が31戦28勝3敗(勝率:0.9032)となりました。

今月4日に菅井竜也七段に負けて公式戦3敗目を喫して以来、しばらく勝率が8割台後半でしたが、久々に年度勝率が9割を超えました。

8月末になってもこのペースで勝ち進んでいるので、50年振りの最高勝率記録更新も現実味を帯びてきています。

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