第58期王位戦七番勝負

羽生マジック不発! 菅井竜也七段が初タイトル獲得に王手をかける 【第58期王位戦第4局】

2017/09/17

羽生善治王位に菅井竜也七段が挑戦する第58期王位戦七番勝負。

その第4局は、菅井竜也七段が羽生善治王位を111手までで下しました。

その結果、菅井七段が3勝1敗となり、初タイトル獲得に王手をかけました。

これまでの第58期王位戦

第1局菅井竜也七段、タイトル戦の初陣を制す

第2局菅井竜也七段が羽生善治王位に完勝で2連勝!

第3局羽生善治王位が菅井流角交換振り飛車を破り、1勝を返す

世にも不思議な菅井流

(画像:王位戦中継ブログより)

菅井七段の先手番で始まった本局、中飛車から相振り飛車になるかと思いきや、世にも不思議な展開を辿ります。

向かい飛車に振った羽生王位に対し、菅井七段は5筋に振った飛車を2筋に戻します!

しかも先手玉は5八に定住し、その周りに金銀がひしめきあっているという、素人がテキトーに指しているんじゃないかと思う指し手が続きます。

羽生王位は美濃囲いに組み、先手玉の近くである4筋から仕掛けたのですが、なぜか形勢を損ねたのは羽生王位の方でした。

異筋の指し手を連発した菅井七段がペースを掴み、自然な手を指したはずの羽生王位が不利になるという、摩訶不思議な事態になります。

1日目終了時点で、先手は後手の飛車を封じ込め、後手は先手陣に直接反撃を試みるも明らかに駒が足りてない雰囲気でした。

早い終局

2日目になっても形勢が逆転する気配はなく、むしろ攻めが切れた羽生王位の方が余計に苦しくなる一方でした。

本局はずーっと菅井七段のペースで進み、昼食休憩明けからバタバタと指し手が進み、菅井七段が押し切りました。

菅井七段は持ち時間を約半分も残し、14時2分という早い終局を迎えました。

幻の羽生マジック

ところが、局後の感想戦でドラマが見つかります。

昼食休憩明けの羽生王位の指し手△8二金に代えて△9二玉!という受けの妙技があり、いかにも羽生マジックという手を羽生王位が逃していたのです。

本譜の△8二金でも、後に△9三角に代えて△5一竜と指せば、まだまだ難解な形勢だったようです。

この△9三角という手がいかにも羽生マジックっぽい手なのに、実はこの手が敗着だったというから将棋は面白い。

いかにも羽生マジックな手を逃し、いかにも羽生マジックぽい手が不発で敗着になったという、羽生王位にとっては珍しい将棋でした。

第5局は8月29・30日

色々と難しいところはあったようですが、なにはともあれ菅井七段が3勝目をあげ、初タイトルに王手をかけました。

第5局はこれまでと違って間隔が短く、8月29・30日に行われます。

菅井七段が勝てば悲願の初タイトル獲得、羽生王位が勝てば2勝目で、第6・7局に望みをつなぐことができます。

これまでの将棋を見る限り、菅井七段の独創性と勢いには目を見張るものがあります。

しかし、こういうときに簡単には勝たせてくれないのが、王者の底力というものです。

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