藤井聡太四段の尋常ならざるスター性
2018/09/28
藤井聡太四段は、夏休み最後の対局である棋王戦決勝トーナメント2回戦で豊島将之八段に負け。
関連記事:藤井聡太四段が公式戦4敗目 A級棋士・豊島将之八段に力負け
9月に入って最初の対局の加古川青流戦準々決勝で井出隼平四段にも負け、公式戦で初めての連敗を喫しました。
関連記事:田丸昇九段の弟子・井出隼平四段がプロデビューから約7ヵ月で初の棋戦優勝!
十八世名人・森内俊之九段に勝つ
(画像:藤井聡太四段が森内俊之九段に勝利 NHKが異例の生放送より)
そういう背景もあって、その翌日の森内俊之九段に勝てるかどうか心配でしたが、あっさり勝利。
森内九段は今年度からフリークラスに転出し、第一線を退いたとはいえ、功成り名を遂げた名棋士。
その森内九段の十八番の矢倉を堂々と受けて立ち、急戦矢倉で攻め倒すという清々しい勝ち方でした。
尋常ならざる巡り合わせ
NHK杯という(将棋界では)極めて注目度の高い舞台で、それも異例の生放送での対局で、その十八世名人に勝つ。
記録上はただの1勝ですが、余りにもお膳立てが整い過ぎていて、それ以上の価値がある。
デビュー戦の相手が加藤一二三九段だったり、30年破られることのなかった連勝記録をぴったり29連勝で塗り替えたり、巡り合わせの良さが尋常ではない。
こればかりは、将棋がいくら強かろうが、詰将棋をいくら速く解答できようが、個人の努力ではどうしようもないことです。
そういうところに、これからの将棋界を背負って立つ人間だと思わずにはいられない、スター性が垣間見えます。
1期抜けを懸けた順位戦4回戦
その4日後、新人王戦で佐々木大地四段に負け、今年度の新人棋戦全ての敗退が決まりました。
いかに藤井四段といえど、20代半ばの、指し盛かりの最中にある実力者相手だと、容易に勝たせてくれないようです。
次の対局は14日(木)に行われる順位戦4回戦、その相手は佐藤慎一五段。
中学生でのタイトルホルダー、そして新人棋戦優勝は潰えても、まだC級2組1期抜けへの道程はまだ始まったばかり。