第58期王位戦七番勝負

25歳のタイトル保持者・菅井竜也王位

2017/09/19

2017年8月末、第58期王位戦七番勝負を、挑戦者の菅井竜也七段が羽生善治王位を4勝1敗で破りました。

菅井王位は25歳での初戴冠を果たし、将棋史にその名を刻みました。

将棋界では第51期王位戦(2010年)での広瀬章人王位(当時23歳)以来の、20代前半のタイトル保持者が誕生しました。

羽生王位は約5年振りに二冠に後退し、前人未到のタイトル通算100期に足踏みとなりました。

第58期王位戦七番勝負

(画像:王位戦中継ブログより)

第58期王位戦七番勝負を簡単に振り返ってみます。

第1局と第3局では、ゴキゲン中飛車の出だしから三間飛車に振って、角交換してから向かい飛車に振り直す、いわば菅井流角交換振り飛車でした。

菅井七段いわく、「4二銀-2二飛型を作るためだけの作戦」(by 将棋世界 2017年10月号)とのことで、第2局はそれの先手番バージョンともいうべき作戦でした。

第4局は中飛車、羽生王位が向かい飛車に振って相振り飛車で対抗しようとしたのを見て、突如居飛車に戻すという驚天動地の序盤戦術(?)を披露。

菅井王位が出だし2連勝し、羽生王位が一番返した後、巻き返しが始まるかと思われましたが、菅井七段が奪取に王手をかけました。

羽生王位を圧倒して奪取

(画像:王位戦中継ブログより)

そして第5局は、阪田流向かい飛車の出だしから三間飛車に振るという誰も予想できない戦法でした。

いったいどうやって捌くのかと思っていましたが、いざ戦いが始まってみると、なぜか菅井七段の駒が躍動。

あれよあれよの間に形勢の針が菅井七段に傾いていき、緩みなく寄せ切って制勝。

シリーズを通じて羽生王位に本来の力を出させず、4勝1敗で奪取に成功しました。

圧巻の戴冠劇

これまでにも「菅井流」と称される新手を生み出してきた菅井王位の、独創的な発想と卓越した指し回しが光ったシリーズでした。

羽生二冠のような絶対王者は、カド番に追い込まれても簡単には勝たせてくれないと相場が決まっているのですが、第5局であっさり勝利。

全5局とも、誰も閃かないような戦法で戦い抜き、圧巻の初戴冠。

これまで高い実力を持ちながら、なかなか大舞台には上がれなかった鬱憤を爆発させるかのような強さでした。

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