藤井聡太四段が王座戦一次予選初戦突破! 師匠の兄弟子を再び制す
2017/09/23
現在進行中の第65期王座戦五番勝負の裏で、第66期王座戦の挑戦者を決める予選もすでに始まっています。
史上最年少タイトル獲得記録更新が期待される藤井聡太四段にとっての第66期王座戦の初陣の相手は、かつてスーパー四間飛車で一斉を風靡した小林健二九段。
王位戦予選と同じく初戦で対局して以来の2戦目でしたが、本局も完勝でした。
全タイトル戦の予選に出場
藤井聡太四段は本日の王座戦予選で小林健二九段に63手で完勝しました。まもなくデビュー1年となる藤井四段は、全タイトル戦の予選に出場を果たし、通算41勝6敗になりました。藤井四段は「あっと言う間だった。一つでも上を目指して頑張りたい」と話していました。写真は感想戦の様子です。 pic.twitter.com/AQ3kUinvCK
— 毎日新聞・将棋 (@mainichi_shogi) 2017年9月20日
本局の戦型は、先手番の藤井四段が居飛車で、小林九段が意表の角交換四間飛車に振りました。
新型エンジンと旧型エンジン
以下、藤井四段と小林九段の本局の感想。
小林は故板谷進九段の弟子で、藤井の師匠杉本七段の兄弟子にあたる。両者は8月15日の王位戦予選で初対局し、藤井が白星を挙げていた。
今回も序盤から攻め続け完勝した。同門の大先輩からの連勝に「難しかった」と振り返った。
一方、ベテラン小林は前回に引き続き、気合の羽織はかまの和服姿。
対局後、小林は「1カ月前は立ち上がりから動かれ、速い仕掛けで負けた。今回は立ち上がりは気をつけた。ただ中盤、終盤は新型エンジンと旧型エンジンの差が出た」と感想を語った。
(引用:藤井聡太四段が小林九段破る、公式戦通算41勝目より)
藤井四段と小林九段の初手合い→藤井聡太四段、師匠の兄弟子に勝って王位戦の初陣を飾る
突然の終局
投了図以降は、指せばまだまだ続きはあるのですが、小林九段はそれを良しとせず、潔く負けを認めました。
まだ手数は63手、終局時刻は16時54分と、持ち時間が5時間(+夕食休憩もあり)の棋戦にしては異例の早期決着でした。
しかし、後手は飛車金両取りをきれいに受ける術がなく、△6一飛には▲6二歩で簡単に負けます。
無理に受けるとすれば△4二角ですが、ひとまず▲5二馬と逃げておけば、後手陣は収拾がつきません。
攻め合おうにも、飛車を降ろして桂香を拾ったところでどうしようもないので、投了もやむなし。
先手番での不敗神話はまだ継続中
本局の勝利により、2017年度成績は37戦31勝6敗となり、勝率が8割3分8厘に上がりました。
とはいっても、対局数が多く勝率も高すぎて、1勝したくらいでは上がり幅が小さいので、なかなか中原誠十六世名人の持つ最高勝率記録に追いつかないのが嬉しい悲鳴。
また、先手番での不敗神話はまだ続いています。
*藤井聡太四段のその他の棋戦の勝ち上がり状況→藤井聡太四段の八大タイトル勝ち上がり状況まとめ・藤井聡太四段の一般棋戦勝ち上がり状況まとめ