渡辺明 羽生善治 藤井聡太 谷川浩司

大天才は「将棋の質」を変える 藤井聡太四段もまたその1人のはずだ

52a02f88-s

(画像:日本経済新聞より引用)

藤井聡太新四段の憧れの棋士は、谷川浩司九段だそうです。

最近は50歳を超えて精彩を欠くようになりましたが、全盛期には「光速流」と称された切れ味鋭い終盤の寄せを武器に、一時代を築いた大天才です。

谷川光速流が将棋の終盤感覚を「ねじり合い」から「スピード勝負」に変えたように、大天才は将棋の質を変えます。

将棋の質を変えてきた大天才たち

wp-1475620356160.jpg

羽生善治三冠の「羽生マジック」や渡辺明竜王の玉の堅さを重視する将棋も、また然り。

それは藤井聡太新四段についても同様のはずで、その片鱗が見られる将棋があります。

その将棋は第23回岡崎将棋まつりのイベントとして行われたお好み対局、「佐々木勇気五段 対 藤井聡太三段(当時)」戦です。

この将棋は普通なら、棋譜は記録に残らないはずです。

ですが、藤井三段があまりに世間から注目を集め、将棋世界2016年7月号でレポートされたので、世間の将棋ファンも知ることとなりました。

この将棋は本当に素晴らしくて、終盤で三度「詰めろ逃れの詰めろ」が飛び交う大熱戦でした。

大天才の片鱗

が、この将棋で藤井三段が才能の片鱗を見せたのは、中盤の入り口で見せた仕掛けあります。

その手について、対局相手の佐々木勇気五段は「新感覚の一手」と評しています。

後手が5筋を突き捨て、△4四銀右と繰り出して中央から動きを見せてきた局面。

sota-11

この局面について、佐々木勇気五段は経験のある形とのことなので、少なくとも不利だとは思っていなかったはずです。

しかし、ここで藤井三段が指した一手は、▲2四歩!

まだ21歳の佐々木勇気五段が「新感覚の一手」というくらいですから、相当に珍しい攻め筋なのでしょう。

20160501%e8%97%a4%e4%ba%95-%e4%bd%90%e3%80%85%e6%9c%a849%e6%89%8b-gif

先手の右銀が3七に釘付けのまま、いったいどうやって攻めを続けるのでしょうか?

将棋世界によると「強引に攻め駒をさばいて戦いに持ち込む」狙いで、△同歩▲2五歩△同歩▲同桂と進み、互いに物凄い攻め合いに進んでいます。

sota-13

今は「強引」とされていますが、藤井聡太四段が活躍するようになれば、こういう類の手が当たり前になっていることでしょう。

藤井四段の将棋は谷川光速流に通じるものを感じますが、それともまた違う個性をも秘めている気がします。

-渡辺明, 羽生善治, 藤井聡太, 谷川浩司