【10/6】藤井聡太四段 vs 宮本広志五段 朝日杯二次予選進出を懸けた対局
2017/10/09
10月に入り、2017年度の将棋界も後半戦がスタートしました。
羽生善治二冠が王座を防衛できるのか、そして永世七冠はどうなるのかなど話題の絶えない将棋界。
将棋界で注目が集まるのは、どうしてもタイトル戦をはじめとした大舞台になりがちですが、大舞台に立たなくとも注目を集めるのが「藤井聡太」という棋士の宿命。
その藤井聡太四段が10月6日(金)に、第11回朝日杯将棋オープン戦一次予選突破を懸けて、宮本広志五段と戦います。
追記:藤井聡太四段の完勝
「23連勝目」以来の対局
(画像:AbemaTIMESより)
↑竹内雄悟四段との4度目の対決を制し、棋聖戦一次予選突破に王手をかけた藤井聡太四段
藤井四段にとって、宮本五段とは2度目の対局です。
1局目は第2回上州YAMADA杯3回戦で相見え、負けた宮本五段が、フィーバー華やかなりしころの藤井四段に23連勝目を献上しました。
1局目の将棋は、振り飛車党の宮本五段が四間飛車穴熊に振り、藤井四段の将棋としては珍しい相穴熊になりました。
お互いそれぞれ生粋の振り飛車党or居飛車党なので、2局目も対抗型になる可能性が濃厚です。
14歳でプロになった天才少年 vs 28歳でプロになった苦労人
(画像:日本将棋連盟より)
ご存知の通り、藤井四段は史上最年少14歳2ヶ月でプロ入りしましたが、それとは対照的に、宮本五段は28歳でプロ入りしています。
いわゆる「苦労人」というやつですが、その苦労さたるや尋常ではなく、奨励会史に残る壮絶な勝負を乗り越えています。
プロ入りを決めた宮本三段(当時)が将棋世界に寄せた「四段昇段の記」に、サラッとエゲツないことが書かれています。
そういう中、前期は対戦相手も自分も、お互いに負けた方が退会になるという厳しい一番を迎えることになってしまいました。
この大きな一番を勝利することによって、今回の昇段につながりました。
(引用:将棋世界 2014年5月号
四段昇段の記より)
そう、「奨励会史に残る壮絶な勝負」がどんな勝負だったかをひとことで言うと、「負けた方が奨励会退会」の勝負でした。
それはつまり、幼い頃から将棋に人生を捧げてきた奨励会員にとっては、文字通りの「人生を懸けた勝負」と同意義です。
関連記事:宮本広志五段が乗り越えた「負けた方が奨励会退会!」の鬼勝負
この勝負に負けていたら、今の将棋界には「宮本広志」という名の棋士は存在してないのです。
対照的な棋歴を持つ2人の激突
藤井四段が2016年10月1日付で四段昇段を果たしたのに対し、宮本五段は2014年4月1日付での四段昇段です。
棋歴としては2年半しか違いませんが、年齢は一回り以上離れていますし、そもそも宮本五段が奨励会に入会した1999年当時、藤井四段はまだ生まれてすらいませんでした。
かたやほぼ挫折なくスターダムへと駆け上がろうとしている天才少年。
かたや一度はプロへの道を断たれかけながらも、人生を懸けた鬼勝負を制してプロになった男。
全く対照的な棋歴を持つ2人が、朝日杯二次予選進出を懸けて戦います。