ネット中継将棋観戦記(藤井聡太四段)

99%負けていたはずの将棋すら勝ってしまう藤井聡太四段【第3期叡王戦四段戦予選準決勝】

2017/10/11

第3期叡王戦決勝トーナメント出場者を決める、四段戦予選準決勝。

藤井聡太四段の準決勝は、かつて負かされた佐々木大地四段に挑むリターンマッチ。

関連記事:第3期叡王戦四段戦予選優勝を目指す藤井聡太四段の戦い

藤井聡太四段が99%負けていた将棋

(画像:日刊スポーツより)

戦型は前局同様に相掛かりになり、先手が端から仕掛けるのですが、それを上手く逆用した藤井四段が優勢になります。

これが並の相手なら、藤井四段が手堅く優位を保って勝ち切っていたことでしょう。

しかし相手は、師匠・深浦康市九段譲りの勝負師根性を持つ棋士・佐々木大地。

決め手を与えないように粘り強く指し続け、藤井四段の軽視した妙手を繰り出して逆転。

そこからは常に後手の指し手が一手遅れている感じで、もうあとは先手がどう寄せるか、という形勢まで傾きました。

急転直下の大逆転

そのクライマックスが、96手目△3六馬と後手玉の詰めろを受けた局面。

もうどうやっても先手が勝てそうですが、佐々木四段が97手目▲6四銀と打ったため、なんと△5八馬から先手玉が詰んでしまいました

藤井四段はおそらくもう負けを悟っていたみたいで、それまで明らかに消沈していました。

ところが先手が▲6四銀と打った瞬間に、先手玉に即詰みがあることを読み切っていた雰囲気で、背筋が急に良くなりました。

実は96手目の局面では後手玉に▲7三飛成から長手数ですが詰み筋があり、また6四に打ったのが銀ではなく金なら、△3六角には銀合いをして詰まず、先手の勝ちでした。

逆転直後の不思議な光景

急転直下の逆転以降、何故か両者ともにやたらとお茶を飲む頻度が多くなっていく、不思議な光景が映されました。

それはどちらも、動揺する心を落ち着けようとしているかのようでした。

かたや99%負けていたはずの将棋に突然勝ちが転がり込んできて、詰み手順を再確認するために。

かたや99%勝てていたはずの将棋を負けにし、現実を受け止めきれずに逃れ手順が落ちていないかを探すために。

怖ろしいほどの天運

これだけ差がついていても、たった一手のミスで逆転してしまうのが将棋というゲームの怖いところです。

それは私も昔から嫌というほど味わってきましたが、それよりも私は、こんな将棋ですら勝ってしまう、藤井聡太四段の天運の方が怖ろしいです。

...ま、なにはともあれ藤井四段がリベンジに成功したうえで決勝に勝ち上がりました。

決勝の相手は、三枚堂達也五段を下した杉本四段。

四段戦予選優勝を懸け対局の行方は...!

-ネット中継将棋観戦記(藤井聡太四段)