ネット中継将棋観戦記

羽生善治棋聖が2連勝! 永世七冠に向けて大きく前進 【第30期竜王戦第2局】

10月28(土)、29日(日)に第30期竜王戦第2局が(私が風邪で寝込んでいる間に)行われ、羽生善治棋聖が渡辺明竜王を128手までで下しました。

第1局に続いての2連勝で、夢の永世七冠に向けて大きく前進しています!

逆に言えば渡辺竜王は、開幕局を落とし、さらには(プロ同士ならちょっとだけ有利な)先手番の第2局すらも落とし、防衛に向けて黄色信号が点滅しています...。

羽生の攻め vs 渡辺の受け

(画像:竜王戦中継ブログより)

角換わりの出だしから羽生棋聖が角道を止めて角換わりを拒否し、その流れで渡辺竜王は矢倉に、羽生棋聖は雁木に組み上げました。

羽生棋聖が右四間に構えて攻めを見せれば、渡辺竜王は手損を甘受してその攻め筋を牽制します。

このまま本局は「羽生の攻め vs 渡辺の受け」という構図になり、48手目△6六歩までで1日目が終了しました。

強手△7七桂打!

(画像:竜王戦中継ブログより)

6筋から攻めかかった羽生棋聖に対し、渡辺竜王は金銀逆形を厭わず強く応じます。

羽生棋聖が△3三角とのぞいてコビン攻めを見せた手に対し、渡辺竜王は57手目▲4五桂と跳ねました。

当たり前の手に思えますが、どうもこの手がイマイチだったというから将棋は難しい。

この▲4五桂が後の△3三桂を生じさせ、後手の駒台に乗った桂馬が△7七桂打!の強手につながります。

ともかく後手は6五の桂馬を捌いてさえしまえば、その背後に陣取る飛車・角・銀が躍動します。

本譜もその通りになり、飛車を成り込むことに成功します。

真骨頂の一手

しかしこの局面では後手は桂馬一枚損していますし、歩切れでもあるので、見た目ほど形勢に差はついていません。

先手は次に▲7八銀としかりつける手があり、竜を成り込んだといっても、後手は容易に攻めが継続できるわけではないのです。

ではここからこの将棋は混戦になったかというとそうではなく、あっという間に羽生棋聖に形勢の針が傾きます。

▲7八銀としかりつけられた手に対し、羽生棋聖は△4九竜と逃げましたが、この手こそが羽生棋聖の真骨頂。

渡辺竜王が予想していた△1九竜や△6五桂のような直接手ではない、相手にふわっと手を渡す、いかにも羽生棋聖らしい一手

仮にここで△1九竜と指すと、先手は攻め合いに持ち込みます。

すると必然的に先手の飛車が動くことになるので、その瞬間に竜が角のアタリになり、それを逃がす一手が必要になります。

つまり本譜の△4九竜は、取れる香車を取らないことによって、角の利きから予め逃げていることになるわけです。

その一手の差の分、先手は攻め合いにしづらくなっており、だから渡辺竜王はいったん▲5七銀と逃がし、攻め合いに持ち込む順を逃しました。

羽生棋聖が王手をかけるか、渡辺竜王が1勝を返すか

以降は素人目で観ていても、まるで先手に勝ち目のない応酬が続きました。

薄いはずの雁木がやたらと堅く、渡辺竜王が粘りにいった瞬間に先手陣のカナ駒が一掃され、最後は羽生棋聖がカッコよく寄せ切りました。

2連敗の渡辺竜王は、第3局で勝てなかったらもう大勢決したと見ても差し支えないのかもしれない。

-ネット中継将棋観戦記