豊島将之

悲願の初戴冠へ! 7年越しの王将奪取へ挑む豊島将之八段

藤井フィーバー、そして羽生善治竜王の永世七冠達成...空前の将棋ブームを巻き起こした2017年も終わり、年が明けて2018年。

将棋界のタイトル戦は、1月7日に第67期王将戦七番勝負から始まります。

久保利明王将に挑むのは、27歳のA級棋士・豊島将之八段。

王将戦七番勝負では、両者は7年ぶりの顔合わせです。

「将来の名人候補」と期待され続けて

豊島八段はかねてから「将来の名人候補」と将来を嘱望されてきました。

それが分かる例をひとつ、約5年前の将棋世界から引用しておきます。

この世界に長くいるとよく分かるのだが、プロは棋士仲間の才能に敏感だ。過敏といってもいいかもしれない。

誰それは自分より才能がある。誰それは自分よりも才能がない。

多くの棋士はそれを日常的に考えていて、そうした思いの積み重ねの末に、「あいつだけは違う」という存在が現れる。

中原誠、谷川浩司、羽生善治、渡辺明らは小さい時から、周りの仲間に別格と思われてきた。

別格。いま、その雰囲気を漂わせている若者を1人挙げるとしたら、やなり豊島だろう。

(引用:将棋世界 2013年3月号 P.136より)

その期待通りに2010年度末、20歳で王将戦挑戦者になり、当時最盛期にあった久保利明二冠(当時)に挑みましたが、2勝4敗で敗退。

まぁ、それは仕方ない(渡辺明棋王も初挑戦時は敗退した)にしても、その後がなかなか続きませんでした。

阻まれ続けた初タイトル

実はその翌年も、王将戦で挑戦者になりかけたのですが、5連勝しながら最終戦で負け、しかもプレーオフでも負け。

このときは本当にショックだったようで、長らくタイトル戦に出ることもかなわず、次の挑戦は2014年の王座戦まで待つことになります。

- 翌年の王将リーグはトップを走りながらも最終戦で敗れ、佐藤康光九段とのプレーオフの末、挑戦を逃しました。

「挑戦権を獲得できなかったのはかなり堪えたというかかなり厳しかったですね。その少し前、佐藤天彦七段との新人王戦決勝三番勝負は先勝しながらも連敗で準優勝。そういうことも重なって大変でした。」

(引用:将棋世界 2014年10月号 P.24~25より)

そしてその王座戦でも、フルセットの末に羽生善治王座(当時)に敗れました。

2015年度も棋聖戦で挑戦者になりましたが、やはり羽生棋聖に1勝3敗で敗退。

2016年度は王位戦で挑戦者決定戦まで進みましたが、木村一基八段(現九段)に敗れ、結局同年度は挑戦者にはなれませんでした。

その将棋の最終盤、投げるに投げ切れない△9四銀(▲8三角成を受けただけの手)が印象的でした。

7年越しの初戴冠へ

(画像:第67期王将戦挑戦者・豊島将之八段『持ち続けたタイトルへの思い』より)

しかし、2016年度末に他力のチャンスを見事活かし、悲願のA級昇級を果たすと、今期に入って何かが吹っ切れたように勝ちまくっています。

上に引用した画像は、将棋世界 2018年2月号に掲載されているインタビューにもある画像ですが、昔よりも精悍な顔つきになっているところに、悲願達成への頼もしさを感じます。

-豊島将之