ネット中継将棋観戦記(藤井聡太七段)

藤井聡太五段と杉本昌隆七段の師弟戦がついに実現!

前局でC級1組への昇級と、史上初となる中学生での五段昇段を果たした、藤井聡太五段。

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五段としての初陣となったのは、第68期王将戦一次予選、対南芳一九段戦。

本局に勝てば、次に当たるのが師匠である杉本昌隆七段とあって、是が非でも負けられない一戦。

そんな勝負にあって、藤井五段は思わぬ大苦戦を強いられるのです。

総手数230手のうち200手くらいは敗勢だった将棋

南九段の三間飛車に、藤井五段は居飛車穴熊で対抗しました。

先に突っかけて戦端を開いたのは藤井五段でしたが、南九段の対応が冷静で、後手の駒がぎこちない動きをしていました。

南九段は後手の手に乗って、銀を捌き、飛車を捌き、桂馬まで成り込んで、全国の振り飛車党が狂喜乱舞するような駒運びでした。

本局は最終的に、総手数230手!の大激戦となるのですが、そのうち200手くらいは南九段が大差でリードしているのです。

ただ、後手玉が馬付きの穴熊とあって、指し手が必要以上に慎重な印象も受けました。

もっと踏み込んでもよさそうな局面でも、先手の竜が度々自陣にカムバックするのです。

それが勝負のアヤとなり、藤井五段は劣勢の局面が続く中でも諦めることなく、逆転への可能性を探し続けました。

大逆転...! ついに報われた鬼辛抱

手筋を駆使して相手の攻めを遅らせ、美濃囲いの玉頭と端にイヤミをつけ、反撃用の駒を蓄え...。

泣きたくなるような辛抱を続け、少しずつ少しずつ得を積み重ね、逆転のチャンスを待ち続けた藤井五段。

いつしか手数が200手を超えた頃、ついにその辛抱が報われるときが訪れました。

「地蔵流」と称された、堅実な指し手が持ち味の南九段が、根負けしたかのように緩手を指し、その瞬間、勝利が藤井五段の手に転がり込んできました。

あたかも師弟戦の実現を望む全国の将棋ファンの祈りが通じたかのような、急転直下のフィナーレでした。

本来夕方くらいには終わるはずだったのが、終局したとき、その時刻は19時を回っていました。

ついに実現する師弟戦

壮絶な大逆転勝利をもぎとった藤井五段は、2回戦で杉本七段との師弟戦に臨みます。

将棋界では、公式戦で弟子が師匠に勝つことを、「恩返し」といいます。

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藤井五段が「恩返し」を果たせるのか、師匠がベテランの貫録を見せるのか。

注目の対局が行われるのは...、今年度末か来年度始まって早々くらいになるでしょうか?

前期の2回戦は、4月4日(11連勝を決めた対局)に行われていました。

藤井五段にとっての2017年度最後の対局が師匠との一戦になれば...、嬉しくも怖ろしい巡り合わせだ。

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