記録から見る将棋界

八大タイトルを8人で分け合う時代が訪れた2018年度の将棋界

2018/08/13

羽生善治竜王のタイトル通算100期達成が懸かっていた、第89期ヒューリック杯棋聖戦

その第5局が行われた、2018年7月17日(火)のこと。

挑戦者の豊島将之八段が羽生善治棋聖をフルセットの末に下し、悲願の初タイトルを獲得!

その結果、将棋界は八大タイトルを8人のタイトル保持者で分け合う時代が訪れ、日本将棋連盟は、これを群雄割拠と表現しました。

八大タイトルを分け合う8人の棋士たち

  • 羽生善治竜王(47)
  • 佐藤天彦名人(30)
  • 高見泰地叡王(25)
  • 菅井竜也王位(26)
  • 中村太地王座(30)
  • 渡辺 明棋王(34)
  • 久保利明王将(42)
  • 豊島将之棋聖(28)

*カッコ内の数字は、2018年7月17日当時の年齢。

このような状況、つまり複数タイトル保持者がいなくなったのは、約31年ぶりのことだそうです(日本将棋連盟より)。

では、なぜ31年もの間、群雄割拠状態にならなかったのでしょうか。

際立つ羽生善治竜王の存在感

その理由のひとつは、いやこれが最大の理由だと思いますが、羽生善治竜王が長らく複数冠を保持しているのが当たり前だったからです。

羽生善治竜王の場合、1992年度に三冠王(竜王・王座・棋王)になって以来、2017年度までずっと、年度単位で複数冠を保持し続けています。

しかもこの間、一度も無冠になったことはありません。

一冠のみになったのも、2004年と2017年のわずかな期間のみですから、凄すぎて恐ろしさすら感じてきます。

現役棋士では他に、谷川浩司九段、森内俊之九段、渡辺明棋王が三冠以上を保持しましたが、その期間はあまり長くありません。

羽生竜王が名人&棋聖敗退→群雄割拠

2018年度のタイトル戦は、まず高見泰地叡王が8人目のタイトル保持者として名乗りを挙げました(オレが高見泰地だ!→将棋世界2018年8月号)。

その後、佐藤天彦名人が羽生竜王の挑戦を退けて3連覇。

関連記事:名人復位そしてタイトル通算100期を達成できなかった羽生善治竜王

そして前述の通り、棋聖戦で豊島棋聖が誕生しました。

関連記事:疾風怒涛の豊島将之棋聖

群雄割拠になったのもならなかったのも、そのどちらにも羽生竜王が大きく関わっています。

「タイトル通算100期」もしくは「無冠」が懸かる第31期竜王戦

平成の第一人者たる存在が立て続けに負けたことで、八大タイトルを8人のタイトル保持者で分け合う勢力図になった。

羽生竜王だけが原因ではないのは重々承知の上ですが、とはいえやはり、時代の流れを感じざるを得ません。

その結果、羽生竜王は、秋から始まる竜王防衛戦が、「タイトル通算100期」もしくは「無冠」が懸かったシリーズへ...。

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