羽生善治

【竜王戦開幕前夜の読み物】 3年前、羽生善治名人(当時)に屈した3人の若手棋士

2018/10/09

いよいよ開幕が間近に迫っている、平成最後の竜王戦。

羽生善治竜王への挑戦者は、3年ぶりに檜舞台へと帰ってきた広瀬章人八段。

今期の竜王戦は、前期(永世七冠シリーズ)に負けず劣らずの、将棋史に残る名シリーズになることは間違いありません。

その理由はなんといっても、防衛の立場に在る羽生善治竜王にとって、タイトル通算100期達成とともに、約27年ぶりの無冠転落が懸かっているからです。

関連記事:羽生善治竜王の「100期 or 無冠」が懸かる平成最後の竜王戦

今期の竜王戦も、将棋史に残る大勝負

そもそもなぜこんな大勝負になったかというと、羽生竜王が名人戦と棋聖戦で負けたからです。

関連記事:名人復位そしてタイトル通算100期を達成できなかった羽生善治竜王

このどちらかで勝っていれば、タイトル通算100期は達成できていたし、無冠の危機が懸かることもありませんでした。

羽生竜王は今期、佐藤天彦名人と豊島将之棋聖に負け、そして次は広瀬八段との竜王戦が控えている...。

そう!

この3人の棋士は、3年前(2015年度)のタイトル戦で、羽生善治名人(当時)への挑戦者になった棋士と、全く同じメンツです。

3年前、羽生善治名人に屈した3人の若手棋士

(画像:オレたち将棋ん族 エピソード3 P.130より)

2015年度開始時の羽生竜王は、名人を含む四冠王(+王位・王座・棋聖)でしたが、その戦績を以下の表にまとめました。

棋戦 在位者 スコア 挑戦者(年齢)
名人 羽生善治 4-1 行方尚史八段(41歳)
棋聖 羽生善治 3-1 豊島将之七段(25歳)
王位 羽生善治 4-1 広瀬章人八段(28歳)
王座 羽生善治 3-2 佐藤天彦八段(27歳)
王将 郷田真隆 4-2 羽生善治名人(45歳)

(出典:将棋世界2016年6月号 P.69より再構成して引用)

2015年度は、羽生名人にとって45歳の年度でした。

年度末には五冠王になり損ねたものの、四冠を全て守り抜いています。

3年越しの逆襲

まず名人戦で行方尚史八段の挑戦を退けたあと、上述の3名(当時は全員20代)との番勝負が始まります。

その3名の挑戦を全て退け、40代半ばになってなおその強さは健在であることを示しました。

ところが今年は、3年前に全員を退けたときとは舞台も立場も違えど、前述の通りすでに2度敗退。

そして竜王をも失冠することになった場合、3年前に負かした3人の若手棋士の逆襲に屈したことになります。

タイトル通算100期を達成するチャンスを三度逃し、そのうえ「いかにも世代交代の波に抗いきれませんでした」と言わんばかりに無冠になります。

前哨戦は広瀬八段に軍配

羽生竜王と広瀬八段は今までに2度、王位戦(2011年と2015年)を舞台に番勝負を戦っており、いずれも羽生善治竜王が制しています。

ならば、「羽生竜王に分のあるシリーズになりそうなのか?」と思いがちですが、そうは問屋が卸しません。

2018年度に入ってから、竜王戦の前哨戦ともいえる両者の対局がありました。

棋王戦王将戦でそれぞれ1局ずつ戦い、広瀬八段の2戦2勝という結果が残っています。

しかもこれらの敗北により、羽生竜王は、今年度に行われるタイトル戦の挑戦者になれる可能性が断たれています。

全く退屈しない3日間

第31期竜王戦七番勝負の第1局は、10月11・12日に行われます。

藤井聡太七段にとって最後の新人王戦の、決勝三番勝負の第1局が10日にあって、11日(第1局1日目)の夜からは第4期叡王戦本戦トーナメントの抽選会があります。

そして12日には、泣いても笑っても、シリーズの行方を占う開幕局が決着!

10月10~12日の3日間は、全く退屈しない将棋ライフが送れそうです。

-羽生善治