谷川浩司

2018年度に入って、復調傾向が加速している谷川浩司九段

現在、関西と関東で8大タイトルを分け合っていますが、約26年前、関西棋界に4つのタイトルをもたらしたのは、谷川浩司四冠(当時)でした(毎日新聞・将棋Twitterより)。

21歳最年少名人、史上4人目の四冠王、十七世名人有資格者、タイトル通算27期(歴代4位)...などなど、その輝かしい実績の数々は、数えていけばキリがないほど。

その谷川浩司九段も40代後半からは、低調な成績が数年続いていましたが、2017年度は少し復調の気配を見せてくれました。

そして2018年度に入ってからも、その勢いがしぼむようなことはなく、むしろ復調が加速しています。

すでに昨年度と同じだけの対局をこなしている

(画像:日本将棋連盟コラムより)

2018年12月2日現在の、谷川浩司九段の2018年度成績は以下の通りです(日本将棋連盟:今年度成績より)。

年度 年齢 対局数 勝数 負数 勝率
2018 56 31 17 14 0.5483

この「31局」という対局数は、谷川九段が2017年度の1年間で指した対局数と全く同じです(日本将棋連盟:2017年度棋士成績より)。

将棋界では、たくさん勝たないと対局数が増えていきません(まぁ、昨年並みに勝ちまくっても対局数が減る稀有な例外も存在しますが)。

2018年度の3分の2を終えた時点で、すでに昨年度と同じだけの対局をこなしているということは、谷川九段が昨年以上に勝っている、何よりの証拠というわけです。

10月には史上5人目の通算1300勝を達成し、その偉大なる棋歴がまたひとつ増えました。

40代後半からガクッと成績が落ちる

谷川九段は、48歳になった2010年度から、目に見えて成績が落ち、以後長らく「対局数30&勝率4割」の年度成績が続きました。

関連記事:失速する光速流

2013年度末には、それまで32期連続で在籍したA級(名人位含む)から落ち、永世名人であるがゆえにその去就が注目されました

B級1組で指し続けることを表明したものの、A級に復帰するどころか、序盤から負けが込んで降級するんじゃないかとヒヤヒヤすることもザラでした。

2017年度から復調の気配あり

下降トレンドに入ったかに思えても、ズルズルと落ちていかないのが大天才たる由縁。

先述の通り、55歳になった昨年度あたりから、少しずつ復調しています。

年度 年齢 対局数 勝数 負数 勝率
2017 55 31 17 14 0.5483

2017年度は、対局数は平常運転でしたが、8年ぶり(2009年度以来)に勝率が5割を超えました。

王位戦では久々に挑戦者決定リーグに入り、3年ぶりに羽生善治竜王とのゴールデンカードが実現しました(結果は負け、リーグからも陥落)。

関連記事:2017年度に入ってから、復調傾向にある谷川浩司九段

各棋戦で若手棋士を破る

そしてこの2018年度、第77期B級1組順位戦では、9戦目までを終えた時点で4勝5敗。

もう昇級は望めませんが、降級の心配はせずに、残りの対局を見届けることができそうです。

他に目立った戦績があるというわけではないのですが、特筆すべきことがあります。

通算1300勝達成時に、A級棋士の稲葉陽八段に勝っている(NHK杯)のを筆頭に、各棋戦での若手棋士を何人も破っているのです。

(初代叡王のタイトルを獲得する直前の)高見泰地六段(竜王戦予選4組)、斎藤慎太郎七段(順位戦)、澤田真吾六段(朝日杯)、近藤誠也五段(王位リーグ)、佐々木勇気六段(NHK杯)など、50歳半ばになってなお、将来有望な若手棋士と互角に渡り合っています。

数年前までとは違って、全盛期のような輝きがまた見られることを、期待してもいいのかもしれない。

-谷川浩司