ネット中継将棋観戦記(藤井聡太七段)

藤井聡太七段が増田康宏六段を破り、C級1組で6戦全勝!

2018/11/24

東西を代表する若き天才、藤井聡太七段と増田康宏六段が、約4ヶ月ぶりに相まみえました。

その舞台となったのが、第77期順位戦C級1組7回戦。

ここまで5連勝の藤井七段にとっては、全勝をキープして昇級戦線のトップを走り続けるために。

3勝2敗の増田六段にとっては、2敗で踏みとどまって奇跡の逆転昇級に望みを繋ぐために。

藤井聡太七段にとっての6戦目(5回戦が抜け番)は、かつて29連勝を懸けて戦った宿敵・増田康弘六段との、今後の命運を懸けた大決戦でした。

意表の対抗型へ

下図は、本局の30手目の局面です。

増田六段が飛車を振っていることにまず驚きますが、藤井七段の陣形もまた見慣れないカタチをしています。

本局は元々、相居飛車模様の出だしでしたが、駆け引きの末、増田六段が公式戦で初めて振り飛車を採用しました。

そして藤井七段の陣形については、対振り飛車の将棋で、居飛車が△3一金&△4二銀&△5一金と、舟囲いよりも連結をよくして囲うのが、最近の流行なのだそうです。

もっとも本譜の場合、右金の位置は5二ですが、これは藤井七段が陣形を膨らませていく構想だったから。

そして増田六段はそれを阻止すべく、▲4六歩とぶつけて先端を開きました。

藤井七段の振り飛車破りが上手すぎる

そしてしばらく進んだ下図は、72手目△4九桂成と、(8一から)天使の跳躍をして先手の金をとった局面。

藤井七段の将棋を観ていてつくづく思うのは、とにかく「振り飛車破りが上手すぎる」ということ。

この将棋、先手の仕掛けに乗って捌いているとはいえ、ほとんど飛車と桂馬だけで攻めをつないでいます。

(元々8一にいた)桂馬と(美濃囲いの要の)金将との交換では、普通は居飛車有利としたものです。

しかし本局に限っては、有利どころの話ではなく、なんとここからあと6手で決着がついたのです。

華やかなる決め手

72手目以降の指し手:▲4九同飛△5九歩成▲同飛△4八金▲7七歩△5六飛!(投了図)

とれる金銀をとらず、とれる飛車もとらずに、飛車のタダ捨てでとどめを刺す。

この上ないほど華やかな決め手で、藤井七段が難敵を下しました。

総手数わずか78手で、新進気鋭の若手棋士同士の順位戦とは思えないほどの早期決着。

私が昨夜19時過ぎに、中継を観ようとアプリを開いたら、すでに藤井七段がインタビューに応えていて、目が飛び出るほど驚きました。

藤井聡太七段が6連勝

(画像:AbemaTIMESより)

負けた増田六段は3勝3敗となり、昇級戦線から完全に脱落。

ただ、最後はクソ粘りをせず、最も派手な決め手になるよう形作りをして、棋譜を引き立てた潔さは見事でした。

勝った藤井七段は6連勝となり、近藤誠也五段と杉本昌隆七段と共に全勝をキープしています。

昇級への一際高いハードルともいうべき宿敵に快勝し、昇級がグッと近づいてきました。

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