広瀬章人八段の五冠王チャンス!
2018/12/22
2018年度の広瀬章人八段の活躍は著しく、それが対局日程に表れています。
広瀬八段のブログの先月20日の記事に、9月下旬からの対局日程が書かれています。
秋以降は、3日おきに対局することもザラにあり、竜王戦第4局を終えたあとも、その3日後にまた王位戦予選を戦う、という始末。
これだけ勝ちまくった結果、広瀬八段には現時点で、平成が終わって新元号になる頃に、最大で五冠王になるチャンスがあります。
「平成最後の竜王戦」の挑戦者
(画像:竜王戦中継ブログより)
挑戦者決定戦で深浦康市九段を破って、初めて竜王戦の挑戦者になりました。
これだけ勝ちまくると、羽生善治竜王の「タイトル通算100期もしくは無冠」が懸かった、歴史的シリーズの当事者にもなれるのです。
関連記事:羽生善治竜王の『100期 or 無冠』が懸かる平成最後の竜王戦
ここまで3局まで終了し、開幕2連敗から第3局で1勝を返して、第4局を迎えます。
関連記事:【第31期竜王戦第1~3局】ここまで全局角換わり! 攻める羽生善治竜王、受ける広瀬章人八段
手が届きそうな「棋王」と「王将」
広瀬八段は王将リーグの最終戦が抜け番だったため、一足先に全局を終えています。
4勝2敗という成績では、普通は挑戦者にはなれないとしたものですが、まだ「プレーオフのプレーオフ」から挑戦権を得られる可能性が残っています。
挑戦権がどうなるかについては、日本将棋連盟のコラムにまとめられています。→大混戦の王将戦挑戦者決定リーグ戦最終局、挑戦者になるのは?【プレーオフ進出条件まとめ】
第44期棋王戦では、次に佐藤天彦名人に勝てば、勝者組から挑戦者決定戦に進出することができます。
仮に負けたとしても、ベスト4まで勝ち上がっているので、敗者復活から挑戦者になれる可能性もあります。
「叡王」と「名人」にも着実に近づいている
叡王戦と名人戦で挑戦者が決まるのは、それぞれ来年2月と3月になってから。
まだ少し先の話ですが、これらの棋戦も順調に挑戦者に近づいています。
A級順位戦では、5回戦で稲葉陽八段と戦い、自身が監修を務める「将棋めし4巻」の発売日と同日に見事勝利!
羽生善治竜王と並んで4勝1敗となり、豊島将之二冠(5戦全勝)をピッタリ追走しています。
第4期叡王戦でも、もはや当たり前のように本戦トーナメント入り。
その初戦で竹内雄悟五段を完璧に負かして、ベスト16に勝ち上がっています。
2018年度が終わる頃には、どれだけの成績になっているのか?
広瀬八段の今年度成績は、37戦28勝9敗(勝率:0.757)です(テレビ棋戦を除く2018年11月22日現在のもの)。
これだけ多くの棋戦で上位に勝ち上がっている広瀬八段ですから、その対局相手もトップ棋士だと考えて差し支えありません。
それでいて7割5分を超える勝率を残しているのですから、(棋聖と王位を獲得し、さらに三冠、四冠になる可能性のある)豊島将之二冠に勝るとも劣らないほどの活躍です。
今年の最多対局は豊島二冠(現時点で45局)で決まりだと思っていたけど、広瀬八段が猛追しています。
来年3月、つまり2018年度が終わる頃には、いったいどれほどの成績になっているのでしょうか。
そして平成が終わって、新元号になった頃の肩書も、果たして。