第31期竜王戦七番勝負

平成最後の竜王戦、ついに決着!

フルセットの勝負となった平成最後の竜王戦、ついに決着!

3勝3敗で迎えた第7局を広瀬章人八段が制し、4勝3敗で竜王のタイトルを獲得!

敗れた羽生善治竜王は、今年7月の棋聖失冠に続いて全てのタイトルを失い、約27年ぶりに無冠となりました。

羽生前竜王は、私が生まれた頃にはすでにタイトル保持者で、将棋を始めた頃にはすでに第一人者で、その地位は十数年に渡って揺らぐことはありませんでした。

タイトルを保持していることが当たり前だった羽生前竜王が、とうとう無冠になったとは...なんだか不思議な気分です。

シリーズ5度目の角換わり

振り駒の結果、(プロの世界なら)少し有利とされる先手番を引いたのは、挑戦者の広瀬八段。

シリーズ5度目の角換わりになり、先手の利を活かして広瀬八段が攻め込みます。

羽生竜王も、もたれるような指し回しで巧みに受け、先手の攻め駒を責めて決め手は与えません。

先手が攻めてるのか、それとも攻めあぐねているのか。

難解な形勢のまま、広瀬八段が71手目を封じ、1日目が終了しました。

2日目も難解な形勢は続く

2日目、広瀬八段の封じ手は▲5八金でした。

金を馬の利きから逃しつつ、後手の寝技を逆用して飛車を6筋に転回し、左辺から攻略を試みます。

私がAbemaTVで観ていたのは、羽生竜王が△7五金と打った辺りから。

先手は6筋を突破したいのですが、金の存在が強力で、すぐに返し技を食らってしまいます。

しかしその3手後に指された▲5六馬が、後手玉のコビンを狙う好ポジション。

横からの攻めには強い後手陣も、上からの攻めにはさほど強くなく、やはり難解な形勢であるようでした。

急転直下!広瀬八段が抜け出す

...で、少し時間を置いてまたアプリを開いたら、この局面になっていました。

まもなく先手が123手目▲2四歩(中継ブログ)と打ち、なんと急転直下で先手が優勢になっていたのです。

これを後手が△同歩なら、先手には「いかにも決め手だ!」と言わんばかりに▲6六銀と出る強手があります。

これで2三に打ち込むためのカナ駒を入手することができるので、もうすでに後手は収拾がつかなくなっています。

本譜もそのように進み、羽生竜王はやむを得ず、4五馬を直接除去して急場を凌ぎました。

しかし、その間に先手は金2枚をボロボロと手駒に加え、しかも眠れる飛車を敵陣に成り込むことにまで成功しました。

ここまで進むと、特に互いの飛車の働きが大差で、もう後手に勝ち目はほぼ無いのですが、実はここからまだ40手近く指し手は続いたのです。

凄味を感じた羽生竜王の粘り


それにしても、羽生竜王の粘りは凄味を感じるものでした。

広瀬八段の対応が的確で、しかも持ち時間も充分に残していたため、その粘りは報われませんでしたが、もしこれが1分将棋だったらどうなっていたか。

2枚目の馬を作って入玉をちらつかせ、遊んでいた飛車を受けに活用し、その飛車をポロッと取られてもなお、歩を駆使して嫌みをつける。

この、妖しい勝負手を連発する閃きと、最後まで逆転を諦めない執念が、これまでの偉大な実績の糧になっているんだなあ...と。

棋聖→王位→王座→竜王 4棋戦連続フルセット!


第31期竜王戦も閉幕し、2018年内に行われるタイトル戦は全て終了しました。

驚くべきは、棋聖戦から竜王戦まで、4棋戦連続でフルセットのシリーズになったこと。

そしてそのいずれも、タイトル保持者が入れ替わっています。

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