伊奈めぐみ 将棋の渡辺くん

「将棋の渡辺くん」誕生秘話 普通の主婦だった伊奈めぐみさんが漫画家になった理由

inamegumi

(画像:日本将棋連盟より)

渡辺明竜王(右)の奥様であり、将棋の渡辺くんの作者でもある伊奈めぐみ(左)さん。

めぐみさんは今ではれっきとした漫画家ですが、そのデビューまでの道のりは異色中の異色。

なぜなら、めぐみさんはそれまでマンガを描いた経験は一切ない、普通の主婦だったからです。

突然届いた、「漫画家になりませんか?」メール

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普通の主婦が、突然漫画家としてデビューしますか?

しませんよね。

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そもそも漫画家になろうと思い立ったとしても、普通はそう簡単にはデビューできませんよね。

ではなぜ、普通の主婦だった伊奈めぐみさんが漫画家としてデビューすることになったのでしょうか?

- めぐみさんはマンガを描いた経験はないんですよね?

伊奈 ええ、読むのは好きですけどね。自分で書こうなんて思ったこともないです。

- 担当編集者さん(掲載誌「別冊少年マガジン」の創刊編集長)は、どんな経緯でめぐみさんにマンガを頼もうと思ったのですか。

担当 2009年に僕が『別冊少年マガジン』を立ち上げたときのことですが、誌面で小説などといった文字企画を充実させたくて、コラムニストを探していたんです。そのころ渡辺竜王のブログをよく読んでいたんですが、そこから奥様のブログ「妻の小言。」を見るようになり、すごく面白くて、はまりました。そのとき、渡辺竜王とめぐみさんを、何かの形で出したいと思ったんです。

(引用:将棋世界 2013年9月号より、以下の引用元のないものも同じ)

渡辺明竜王は棋士ブログの先駆け的存在で、それを一冊にまとめた書籍が出ているくらいです。

渡辺明ブログ

一方で奥様のめぐみさんも独自にブログをやっていて、こちらも将棋ファンの間でけっこう有名でした。

妻の小言

「将棋の渡辺くん」と「明日対局」の表紙を見比べて分かる通り、後者の書籍の挿し絵を描いたのは(漫画家デビュー前の)めぐみさんです。

ただし、担当さんの頭の中では、漫画家としてスカウトするアイデアは最初は無かったそうです。

担当 いや、当時その考えはまったくなかったですね。

渡辺竜王のお悩み相談とか、渡辺竜王が各界の有名人と将棋を指していく企画とか、そういったものをつらつらと考えていたんですが、どうもうまくハマらないなあと。

それが昨年の4月頃、ふとストレートにマンガを描いてもらえばいいんじゃないかと思ったんです。

それでさっそくめぐみさんの連絡先を調べたんですがどうしても見つからない。

そのとき、たまたまブログで、竜王の『明日対局。』という本のプレゼント企画があって期間限定のメールアドレスがパッと載ったんです。

これだ、と思ってすぐさまメールしました。「週刊少年マガジン編集部のものです。マンガを描いてみませんか?」って。

ひとつのことを考え続けていると、あるときパッと閃く瞬間が来るときがあります。

で、その閃いたアイデアは案外原点回帰というか、当たり前のことだったりする。

さて、こんな突拍子もないメールを受け取っためぐみさんがどう思ったかというと。

- 突然そんなメールがきて、びっくりしませんでしたか。

伊奈 何なんだろうこれ、と思いました。そのプレゼント企画は900通ほど応募がきて、全部読みましたけど、1通どうみても怪しいのが混じってる。とりあえず旦那に「こんなの来たんだけど、どうしよう」と相談したら、「まあ、返事してみたら」って。

担当 「は?マンガ?何を言っているんですか?」みたいな返事がきました(笑)。

ごもっとも。

ここでめぐみさんが無視していたら、「将棋の渡辺くん」は誕生しませんでした。

そう考えれば、竜王グッジョブ。

めぐみさんが漫画を描くことにした意外な決め手

- そこから話はすんなり進んだ?

担当 何とか打ち合わせをするところまできまして、当然、僕が出向くつもりだったんですが、めぐみさんに断られました。これは見ず知らずの人に自宅を知られるのが嫌なのかと思って、では近くの喫茶店で、と言ったんですが、「それも嫌なので私が行きます」と強硬に言われた。結局、押し切られる形で編集部で会うことになって、そのときのめぐみさんの第一声が「あ、本当にいたんですね」だった(笑)。

伊奈 メールが本物かどうか心配していたら、旦那が「じゃあ直接行って実在しているか確かめてこい」と。

- それが編集部に乗り込んだわけだったんですね。

しかし、ここまできてもまだ担当者とめぐみさんが会っただけ。

そこから、マンガを描いたことも、描こうと思ったこともない普通の主婦が、なぜ漫画家としてデビューすると決めたのか。

- 話を受けようと決意した決め手は?

伊奈 お話を聞いて、そのときサンプルで4冊、マンガをもらったんです。その中の1冊がすごく気に行ったんですが、旦那には面白くないと言われて・・・。でも、それが、担当さんもいちばん好きなマンガと聞いて、すごく嬉しかったんですよ。それでやってみようかと。

担当 そうだったんですか。それは知らなかった。

この話は『将棋の渡辺くん』インタビューでも言及されていませんでした。

直接の決め手は「担当さんと漫画の趣味があったから」ですか。

・・・なんだろう、今一つピンとこない理由ですよね。

そのときの当事者同士でしか分からない、言葉では言い表せない雰囲気があったのでしょうね。

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事実は小説よりも奇なり

その後の「将棋の渡辺くん」の人気ぶりはご存知の通り。

単行本が発売1ヶ月で増刷がかかり、今ではすでに連載4年目。

2016年の夏には第2巻が発売されました。

マンガを描いたことも描こうとも思ったことのない主婦の元に突然「マンガを描きませんか」というメールが届いて、それがきっかけで漫画家デビューしてしまった。

事実は小説よりも奇なり。

マンガよりもマンガみたいな、めぐみさんの漫画家デビュー秘話でした。

-伊奈めぐみ, 将棋の渡辺くん

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