ネット中継将棋観戦記

43手目にしてすでに終盤戦! 盤上も盤外も大波乱な第29期竜王戦第1局(1日目)

2017/02/10

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(画像:竜王戦中継ブログより)

開幕直前になって挑戦者が変更されるという前代未聞の事態を迎えながら、ついに開幕した第29期竜王戦。

その初戦である本局は、盤外の波乱が盤上にも反映されたかのような、急激な展開を辿りました。

43手目にしてすでに終盤戦

29-1

この局面で、渡辺明竜王が44手目を封じて1日目が終了しました。

ええ、書き間違いなんかではありません。

本当に、次の手が44手目で、1日目時点での終了局面です。

43手しか進んでないのに、まだ1日目なのに、完全に終盤戦を迎えています。

前例が「A級順位戦4回戦▲三浦九段-△渡辺明戦」の将棋

なぜこんな将棋になったかというと、角換わりから丸山九段が早々に仕掛ける順を選んだからです。

この将棋はほぼ同一局面の前例があり、それもつい先日のA級順位戦4回戦▲三浦九段-△渡辺明戦というから、何やら因縁を感じます。

29-2

三浦-△渡辺明戦は、以下△2二銀▲2四歩△同歩▲同飛△4四歩▲7一角△7二飛▲5三桂不成△5一玉▲6一桂成△同玉▲4四角成と進んで、結果は先手の勝ち。

(引用:棋譜中継 25手目コメントより)

負けた側を持つ渡辺竜王は1時間9分の考慮の末に△2二銀と引き、△4四歩のところで△4二角と変化しました。

3四飛と歩を取らせてから2三銀と立って受け、飛車を五段目に引かせてから桂取りに△4四歩と突きだします。

渡辺竜王らしさを感じる、いかにも「研究してきましたよ!」という感じの手順で、5三に利きを1枚足したことで▲7一角からの強襲を未然に防いでいます。

29-3

「桂馬の高跳び歩の餌食」では困る丸山九段は、▲3二飛成!とぶった切って勝負します。

丸山九段にとっては、飛車を切ってしまった以上、足を止めたが最後勝つまで攻めを続けなければ即負け。

なので、43手しか進んでいない1日目終了時点でもう終盤戦に突入したわけです。

封じ手局面の棋士たちの評価

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まもなく17時になろうという頃、丸山九段は銀を打って角の利きを止めました。

これには△5七歩成から寄せを目指す手や、△3三角と引く手が検討されていますが、いずれも後手が指しやすいと見られています。

(引用:竜王戦中継ブログより)

43手目▲3五銀までの局面について、控室の棋士たちの評価ですが、素人目にもなんとなくそんな気はしていました。

先手陣は金銀4枚が健在ですが、△5七歩成か△3七歩の一発であっという間に連携が瓦解してしまう不安を抱えています。

かたや後手は守りが心細いようで、実は飛車角銀のコンビネーションが絶妙で、持ち駒の少ない先手が攻めきるのは至難の業です。

だから先手は角を取るぞと見せかけて、後々に▲2四歩とでも叩けるように、打った銀を攻めの拠点にしたいわけです。

まぁそれが、功を奏すか否かは、2日目の封じ手にかかっているわけです。

2日目の記事渡辺明竜王の完勝! 終局時刻は14時51分の第29期竜王戦第1局(2日目)

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