「将棋の渡辺くん」はこんなマンガ
2017/02/18
「将棋の渡辺くん」は、渡辺明竜王の奥様である伊奈めぐみさんが著者で、渡辺明竜王の日常を主な題材としたノンフィクション漫画です。
別冊少年マガジンに2013年から連載されており、今年で連載4年目。
ほぼ必ずといっていいほど「連載誌の巻末に掲載」されていて、それがネタになっています。
単行本も2巻まで発売されていて、どちらも出版後即重版されたヒット作です。
将棋の渡辺くんが面白い理由
旦那の頭の中は将棋の知識だけで それ以外は全く入っていない
この一コマに、将棋の渡辺くんの面白さの全てが詰まっています。
渡辺明竜王は10歳で小学生名人戦で優勝して奨励会(棋士の養成機関)に入り、15歳の時に史上4人目の中学生棋士としてプロデビューしました。
20歳で初タイトル「竜王」を獲得して以来、32歳になった今まで常にトップクラスの活躍をしてきた将棋界の第一人者。
将棋一筋で生きてきたため、普通の人々が普通にできることが全くできないことが多く、その強さとのギャップが魅力です。
普通の人々が普通にできることが、渡辺竜王にはできないことの一例
興味のあることとないことの差が激しい
また、興味のあることには徹底的に打ち込むけど、興味のないことには手をつけようともしないため、それがギャップに拍車がかかっています。
渡辺竜王の趣味は競馬とサッカーとぬいぐるみで、特にぬいぐるみへの愛は尋常ではない。
それぞれのぬいぐるみに名前や職業、誕生日などの設定が細かく決められており、それで遊ぶのが日常。
大の大人がぬいぐるみ好きだとが暴露されたら、普通は恥ずかしいと思うものですが、本人はどこ吹く風。
渡辺竜王の中では「犬のぬいぐるみ」=「犬」らしく、将棋年鑑のアンケートでは「好きな動物は?」の答えに「犬のぬいぐるみ」と書こうとして奥様に止められたエピソードがあります。
でもそれでいて本物の犬は苦手、というアンバランスさが面白い。
将棋の渡辺くんが愛される理由
(画像:日本将棋連盟より引用)
この漫画は、作者の伊奈めぐみさんが渡辺竜王の一番近くにいるからこそ描けるマンガです。
将棋ファンから見れば渡辺竜王はとんでもなくすごい人ですが、めぐみさんはすごい人だとは思っていないらしく、渡辺家の日常がほぼそのまま描かれています。
最近はめぐみさんがメディアに出演する機会も増え、渡辺夫妻の日常が明らかになっています。
それはズバリ、お互いに「干渉は最低限にする」というもの。
だから日中はそれぞれ別の部屋にこもって過ごし、必要な会話はメールでやりとり。
家族で出掛けても、別々のタイミングで集合して各々のタイミングで帰る。
とにかく自分の時間を重視する。
でもそれは夫婦仲が冷めきっているというわけではなく、むしろ漫画からは夫婦仲が良好なのは伝わってきます。
この作品が愛される根本的な理由は、それだと思います。
「将棋の渡辺くん」は、ほのぼのとしたノンフィクション漫画です。