ネット中継将棋観戦記

丸山忠久九段が勝って1勝1敗のタイに!【第29期竜王戦第2局】

1-08-1

(画像:竜王戦中継ブログより)

第29期竜王戦第2局は、丸山忠久九段が渡辺明竜王を98手で下し、シリーズ成績を1勝1敗のタイに戻しました。

15時前に終わった第1局のようなことはさすがに起こらず、本局はお互いに持ち時間をほぼフルに使っての激戦でした。

1日目:伝家の宝刀「一手損角換わり」

第1局とは手番を変えて、後手番の丸山忠久九段が伝家の宝刀「一手損角換わり」を引き抜き、それを渡辺明竜王が第一人者らしく受けて立つ展開。

第1局では先手の丸山九段が早い仕掛けに踏み切りましたが、本局の先手番である渡辺竜王はじっくりと穴熊に組み替え、4二で待機する後手玉との堅さの差を主張します。

29-2-1-0

後手は薄くなった8筋に狙いをつけ、△6五歩から仕掛けました(7七銀をどかせてから8筋を攻める)。

渡辺竜王は玉形の差を活かして銀で桂馬を食いちぎり、駒損を甘受して攻めの手番を握ります。

歩の叩きからさらに桂馬も見捨て、銀損の代償にと金をつくり、王手で角を打ち込んで1日目が終了。

29-2-1

先手は駒損ながらも、穴熊に潜ったうえで一方的に攻めているので局面のバランスは取れているように見えます。

この局面で1日目が終了し、丸山九段が次の手を封じて1日目が終了しました。

2日目:穴熊の暴力 VS 駒得の受け

先手の▲5一角に対し、後手は駒得を主張して△3一玉から受けに回り、先手の攻めを切らしにかかります。

第1局とは手番だけでなく、攻守も逆の将棋になりました。

29-2-1-2

後手は6筋に金銀が取り残されており、先手の攻めを受け切るのは難しいと思っていましたが、銀得がそれを補って余りある戦果でした。

渡辺竜王は打ったばかりの角も叩き切って攻めの継続を図りますが、駒損が響いてどうも攻めが一手遅い感じ。

丸山九段は丸得した角を打って飛車をいじめ、先手の攻めを凌ぐことに成功します。

その後丸山九段も攻めに転じ、豊富な手駒を使って先手玉の嫌みを的確に突きます。

29-2-2

この▲4四歩は十字飛車を狙っていて、教科書通りの手筋です。

本来なら厳しいはずですが、馬の利きと端の位が大きく、後手玉の逃げ道が広すぎて全く響いていません。

習いある手筋を以てしても勝てない。

この攻めの効いてなさが、終始先手の攻めが足りない感じのこの将棋を象徴しているようでした。

投了図(↓)

1-08

途中、6筋で遊んでいた後手の金銀が見事に捌けていますね。

序盤で2手かけて確保した1筋の位が勝因になったわけで、勝ち将棋とはこういうものです。

-ネット中継将棋観戦記