9歳で谷川賞! 詰将棋作家としても才能がある藤井聡太四段
将棋世界2016年3月号は表紙を見てお分かりの通り、昨年のクリスマスイブに行われた加藤一二三九段 VS 藤井聡太四段(第30期竜王戦6組)の対局が大々的にとりあげられています。
その将棋の観戦記を読みましたが、驚くのは藤井四段の詰むか否かの読みの深さ。
第12回(2015年)、13回(2016年)詰将棋解答選手権チャンピオン戦で2年連続優勝した経歴はダテではなく、将棋の勝ち方にも個性があって、将来が本当に楽しみな逸材です。
詰将棋作家としての顔
藤井聡太四段は詰将棋を解く方に注目が集まりがちですが、実は詰将棋を作る方にもその才能を発揮しています。
将棋世界2013年3月号、米長邦雄永世棋聖の追悼が大々的に特集された影で、ひっそりと未来の名人候補にスポットライトが当たっていたのです。
藤井四段が奨励会に入った直後くらいの頃(選考当時、奨励会5級とあります)、2012年の将棋世界詰将棋サロンの年間優秀作の谷川賞を受賞しています。
それがこちらの作品。
しかもこの作品を投稿したとき、なんとまだ9歳!
自分が9歳のときに何をしていたか、何ができたかを考えると、その凄さが分かると思います。
でも、あまり深く考えると自分に自信が持てなくなってくるので、ほどほどにしておきましょう。
天才は天才を知る
(画像:棋聖戦中継ブログより)
この選考は浦野真彦八段と村田五段に加えて、谷川浩司九段が書面参加で委員を務めています。
藤井少年の作品を特に評価していたのが谷川九段で、「切れ味があり、9歳とは思えない作品」とコメントしています。
谷川九段もまた詰将棋作家として名高い棋士であり、中学生棋士の大先輩。
「天才は天才を知る」という言葉がありますが、何か自分と通じるものを感じ取ったのかもしれません。
藤井聡太四段についてもっと知りたい方へ
将棋世界2017年3月号には上記の対局に加えて、読売新聞(10月17日)に掲載されていた加藤一二三九段との対談の完全版が収録されています。
同年1月号には「ドキュメント 藤井聡太四段」と題して、詰将棋創作についても触れられています。