森内俊之九段、フリークラス転出(≒半分引退)の衝撃
2017/08/16
色々な意味で色々な衝撃が走った2016年度の将棋界の最後の日に、またしても特大の衝撃が走りました。
- 2017/4/11 追記:森内俊之九段、理事選立候補の衝撃
- 2017/4/27 追記:予備選挙で当選しました
またひとつ、時代の移り変わりを感じずにはいられない出来事のひとつです。
森内俊之九段が2017年度からフリークラスへ転出
(画像:竜王戦中継ブログより)
十八世名人の資格を持つ森内俊之九段が2017年度からフリークラスに転出し、順位戦から引退するというのです。
転出の理由は「平成28年度のA級順位戦で降級となったことを受けて出した結論」とのこと。
フリークラス転出とは、簡単に言えば「半分引退」するようなものです。
しかしB級1組でも思うように成績が上がらず、二期指して、フリークラス入りした。つまり、順位戦の出場資格を失うかわりに、他社棋戦は指すことにした。これは感じとしては、半分引退したようなものである。
(引用:盤上の人生 盤外の勝負
P.33より)
↑は、元々は中原誠十六世名人について書かれた章にあった文から引用しました。
A級陥落以上の衝撃
永世名人有資格者が46歳の若さでA級から落ちたのは衝撃でした。
しかし、その当時のニュースではB級1組でも指すかのように報道されていました。
なので、てっきりB級1組で指して名人カムバックを目指すものかと思いこんでいたので、A級から降級した以上の衝撃でした。
しかし今よくよく読み返せば、「(来期B級1組では)新たな気持ちで頑張りたい」と書いてあり、B1でも指すとは明言していません。
永世名人が順位戦を指せなくなる(=名人復帰の道が断たれる)意味は大きいです。
2014年に名人を失冠して以来、3期連続で負け越しだったので、もしかしたら本人の中で覚悟が出来ていたのかもしれません。
二度と実現しない名人カムバック
フリークラスへの転出はあくまでも、順位戦を指せなくなるだけで、その他の棋戦には従来通り出場できます。
だから、順位戦の負担が軽減された分、その他の棋戦でタイトルホルダーとして復活するかもしれません。
ただし、C級2組からの「編入」ではなく「転出」なので、これから先どれだけ勝ちまくっても順位戦には戻れません。
したがって、森内九段が名人に返り咲くことは二度とありません。
森内俊之九段は2013年度には竜王・名人のビッグタイトルを2つとも独占する活躍をしていました。
それからほんの3年ほどで、これほど失速するとは本当に意外でした。