佐々木勇気 藤井聡太

藤井聡太四段 vs 佐々木勇気五段 30連勝を懸けた約1年越しのリターンマッチ

2017/07/02

ついに無敗のまま、公式戦29連勝の偉業を成し遂げ、歴代最多連勝記録単独1位に躍り出た藤井聡太四段

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まだその興奮が冷めやらぬであろう7月2日()、藤井聡太四段は第30期竜王戦決勝トーナメント2回戦で、4組優勝者の佐々木勇気五段と戦います。

追記:ついに敗れた藤井聡太四段! 30連勝を阻止した棋士の名は佐々木勇気五段

この佐々木勇気五段も、前回の増田康宏四段に劣らぬ強敵であり、ラクに勝たせてくれる相手ではありません。

また同じく、かつて「5人目の中学生棋士」として期待されていた棋士でもあります。

史上6番目に若くして棋士になった佐々木勇気五段

(画像:王位戦中継ブログより)

佐々木勇気五段は2010年に、16歳1ヶ月で四段に昇段しました。

これは5人の中学生棋士に次ぐ、史上6番目に若い四段昇段記録であり、彼が今の藤井四段のようになっていても全くおかしくはない逸材なのです。

プロ入りしてしばらくは、並以上の成績でしたがよく勝つ若手の一人くらいの印象で、その才能には釣り合っていませんでした。

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しかしここ1年くらいで急激に伸び、2016年度の棋王戦で挑戦者決定戦に進出。→千田翔太五段 VS 佐々木勇気五段 22歳の新鋭が渡辺明棋王に挑む!

2017年度は王位リーグであと少し、というところまで来ていました。

タイトル戦に出てくる日は、近いうちに間違いなく訪れることでしょう。

1年振りの再戦

藤井聡太四段と佐々木勇気五段は今回が公式戦初手合いですが、実は非公式戦ですでに一度対局しているのです。

藤井四段がまだ奨励会三段だった頃、第23回岡崎将棋まつり(2016年5月1日)の席上対局でのことです。

もうその頃には「藤井聡太」の名が将棋ファンの間で有名になってきており、まだ棋士ではないにも関わらず対局者として抜擢されたのです。

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この将棋は本当に素晴らしい内容で、終盤に「詰めろ逃れの詰めろ」が乱舞する、若き才能同士のぶつかり合いでした。

詰むや詰まざるやの寄せ合いの末、佐々木勇気五段がプロの貫録を示しています。

公式記録に残らない名局

この将棋の棋譜と観戦記は将棋世界2016年7月号に、「歴史に残る天才対決」と銘打って掲載されているので、手に入れられる機会があれば是非手に入れてください。

これからの将棋界を背負って立つスーパースターの、公式記録に残らない将棋を堪能できます。

藤井聡太四段のリターンマッチ

(画像:竜王戦中継ブログより)

このように、すでに両者の対決があったということはとどのつまり、2日の将棋は世にも珍しい、「藤井聡太四段のリターンマッチ」となる対局なのです。

あれ以来約1年越しの再戦ですが、その間に両者を取り巻く環境は大きく変わりました。

当然、1年前の藤井聡太三段と、現在の藤井聡太四段は、同一人物ですが別人です。

1年前の将棋は、最後の最後に競り負けましたが、その1年の間に圧倒的な終盤力に磨きがかかっています。

佐々木勇気五段の闘志

序列と段位の上では佐々木五段の方が格上ですが、実質的には佐々木五段の方が、藤井四段の連勝記録ストップに挑むチャレンジャーです。

しかし、佐々木勇気五段も連勝を止める気満々と見え、藤井四段の対局当日に現地入りするなど、いつも以上に本気です。

連勝中、藤井四段の対局に足を運んで視線を送るなど闘志を燃やしている。

藤井四段との対戦に向けて「刺激を受けていますが、周りの雰囲気にのまれずに連勝を止める気で臨みます」と話している。

(引用:「30連勝」かかる相手・佐々木五段は闘志満々「止める気で臨みます」より)

世間の期待と勢いを武器に藤井四段が勝つか、それとも佐々木五段の闘志がそれを上回るのか。

もし藤井四段が勝てば、将棋界では前人未到の30連勝とともに、空前絶後の「15歳竜王」にまた一歩近づきます。

-佐々木勇気, 藤井聡太