ネット中継将棋観戦記(藤井聡太七段)

ついに敗れた藤井聡太四段! 30連勝を阻止した棋士の名は佐々木勇気五段

2017/08/21

昨年12月のデビュー戦以来、公式戦負け無しの29連勝を成し遂げた藤井聡太四段ですが、ついに来たるべき瞬間が訪れました。

藤井聡太四段、第30期竜王戦決勝トーナメント2回戦で敗退し、公式戦初黒星。

30連勝を阻止し、藤井四段に初の黒星をつけたた棋士の名は、佐々木勇気五段です。

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連勝はいつか止まると分かっていて、佐々木五段ならその可能性は大いにあり得ることも分かっていましたが、いざ止まってみると自分のことのように悔しいです。

佐々木五段の作戦勝ち→押し切り

(画像:竜王戦中継ブログより)

32社100人の報道陣が詰めかけた本局(参考記事)は、佐々木五段の先手番で、戦型は相掛かり。

おそらく佐々木五段はこの日のために相当の時間をかけて準備していたと見え、序盤でリードを奪った佐々木五段が、そのまま押し切った将棋でした。

一方、佐々木五段にとって、8歳年下の藤井四段は意識する相手。

藤井四段の24連勝がかかった6月10日の叡王戦予選は、対局室の片隅で正座をして開始を見守った。

同26日の29連勝目の対局でも、感想戦を真剣に聞いていた。

(引用:<将棋>藤井四段敗れる 30連勝ならずより)

相手の注文を受けて立つ藤井四段の姿勢は見事ですが、序盤は相手の巧みな指し回しに翻弄され、指し手を捻りだすのに苦心している様子でした。

それが持ち時間にも現れ、16時ごろにはすでに2時間近い差がついていました。

容易には土俵を割らない藤井四段の粘り

藤井四段の話 機敏に仕掛けられてそのまま押し切られてしまいました。完敗でしたね。連勝はいつかは止まるものなので仕方がないと思いますが、本局は勝負どころがなく敗れてしまい残念でした。また一局一局真剣に頑張っていきたい。

(引用:<藤井四段初黒星>完敗でした また一局一局真剣に頑張るより)

本人は「勝負どころがなく敗れてしまい残念でした」と語っていますが、藤井四段らしい終盤の逆転術も頻発しました。

48手目△9七歩、60手目△8六角、74手目△5七香不成など、劣勢ながらも妖しい手を繰り出して先手を惑わせ、最後まで見応えのある攻防が続きました。

苦しい局面でも容易には土俵を割らない藤井四段の根性と、正確な応手で粘りを振りきった佐々木五段の冷静さが光った将棋でした。

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次戦:7/6 C級2組順位戦2回戦

負けたとはいえ、1回負けたところで過密スケジュールには大きな影響はなく、次は4日後の7月6日(木)にC級2組順位戦2回戦があります。

その相手は中田功七段で、「コーヤン流」と呼ばれるオリジナリティのある将棋を指す振り飛車党です。

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